カルティエは「サントス デュモン」に極薄手巻きムーブメントを搭載したモデルを発売する。なかでも、アルベルト・サントス=デュモンが設計した飛行機の名を冠した「ル ブレジル」「ラ バラドゥーズ」「N゜14 ビス」の3モデルは、数量限定での生産となる。同社のオンラインブティックにて、2020年5月7日から先行販売されている。
飛行史・時計史に名を残すジェントルマンに敬意を表した、待望の機械式モデル
昨年のSIHH(現Watches & Wonders)で発表された「サントス デュモン」は、スポーティーさとフォーマルさの両面を兼ね備えた優れたインフォーマルウォッチであった。今まで時代に合わせて形を変えてきた「サントス」であるが、初代に立ち返ったかのようなその姿は、愛好家たちに好感を持って受け入れられた。ただしその一方で、ムーブメントがクォーツであることに少々物足りなさを感じていた方もいたのではないだろうか。
そのような声を想定してか、カルティエは今年、手巻きムーブメントを搭載した「サントス デュモン」をいくつか発表した。中でも注目すべきは、「サントス」誕生のきっかけとなったサントス=デュモンの偉業になぞらえたモデルだろう。彼が自身で初めて設計した気球「ル ブレジル」、同じく初めて設計した飛行船「ラ バラドゥーズ」、そして欧州初の飛行に成功した飛行機「N゜14 ビス」。同社がそれぞれの名を冠したモデルを発表したことは、偉大なる飛行家へのリスペクトに他ならない。
これらのモデルは驚くべきことに、昨年発表されたクォーツの「サントス デュモン」と同じ7.3mmの薄いケースを持っている。これを実現させたのは「ドライブ ドゥ カルティエ エクストラフラット」に搭載され話題を呼んだ極薄型ムーブメント、キャリバー430MCである。このムーブメントは、薄型ムーブメントの代名詞であるピアジェのキャリバー9Pの流れを汲んだものである。同系列のムーブメントが半世紀以上の歴史を持つことからも、その信頼性は折り紙付きといえよう。
サントス=デュモンは飛行を成功させた後、特許を取得することをせず、むしろ図面を公開することで世の発展に貢献しようとした。また、カルティエが「サントス」を市販する際にも、氏はその申し入れを快諾している。飛行機や腕時計が近代化に欠かせないものであることを理解していたのだろう。利他を優先する紳士的な対応である。
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これらのモデルは、カルティエのオンラインブティックで2020年5月7日より先行販売されている。いずれも数量限定での販売となり「ル ブレジル」は世界限定100本、「ラ バラドゥーズ」は世界限定300本、「N゜14 ビス」は世界限定500本での展開だ。
カルティエの公式サイトはこちら
https://www.cartier.jp
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https://www.webchronos.net/features/43444/