カール F.ブヘラから「ヘリテージ トゥールビヨン ダブルペリフェラル」の18KWGケースモデルが登場。タイムレスなデザインと、ケースバックから鑑賞できる、ルツェルンの街がエングレーブされたブリッジが特徴的なモデルだ。世界88本限定での販売となる。
同社独自の機構を採用したクラシカルなタイムピース
スイスの高級避暑地であるルツェルン。この地で宝飾店から時計製造へと乗り出し、今や自社製ムーブメントを開発するにまで成長したブランドが、カール F.ブヘラである。そんな同社が2018年に発表したのが、クラシカルなデザインにトゥールビヨン機構を搭載した「ヘリテージ トゥールビヨン ダブルペリフェラル」。今回発売されるのは、その18KWG製ケースのモデルだ。
中央のサンバースト仕上げと、それを囲むレコード盤のような無数の溝による手の込んだダイアル、外周ギリギリから伸びるくさび型インデックス、スリムなドーフィン針、そして引き締まったラグ。これらのクラシカルなデザインは、機械式時計が隆盛を極めた1960年代から1970年代のモデルからインスパイアされたものだ。直径42.5mmと大型のケースを持つが、12時位置に配されたトゥールビヨン機構が、デザインを間延びさせない存在感を放っている。
このトゥールビヨン機構は、同社が取得した特許によって、まるで浮かんでいるように見える。その秘密は表からは見えないように隠された3つのボールベアリングだ。これがトゥールビヨンケージの外周部を支えることにより、ミステリアスな外観と安定性、精密性をもたらしている。このフライングトゥールビヨンと、同作に採用される自動巻きローター。外周部を回転するふたつの機構を総称して、カール F. ブヘラは同作に「ダブルペリフェラル」の名を与えた。
ケースバックはシースルーとなっている。いっぱいに広がっているのは、ホワイトゴールド製のブリッジにエングレーブされた、創業地ルツェルンの街だ。ランドマークであるカペル橋を中心に、広がる湖、そこに漂う一羽の白鳥が、職人の手による2週間もの時間をかけて描かれる。同社が初めて宝飾店を開いたシュヴァーネン(白鳥)広場を想起させるこの白鳥は、なんと1本1本違う位置にエングレーブされている。大量生産品では成しえない遊び心あふれる演出だ。
自動巻きであるにも関わらず、ローターに邪魔されず装飾を楽しむことができるのは、同社が特許を持つペリフェラルローターのおかげだ。ムーブメント外周を回転するローターによって、自動巻きでありながら存分に装飾を味わえる画期的な機構となっている。更に、このモデルに搭載されるCal.CFB T3000には、アンクルとガンギ車にシリコン素材が用いられているため、優れた耐磁性を持っている。C.O.S.C.認定クロノメーターも取得しており、精度も折り紙付きだ。
クラシカルなデザインと、独自の技術を用いたトゥールビヨン機構を搭載したムーブメント。それらが組み合わされたこのモデルは、同社の130年を超える歴史を物語るに相応しい記念碑となるだろう。
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