ショパールは、イタリアを代表するテーラーである「キートン」のアトリエとの初のパートナーシップを記念して「L.U.C XP IL サルト キートン」を発表した。ブラックを基調としたシンプルなデザインながらも、キートンを象徴する千鳥格子柄や、各所に用いられたレッドやゴールドのカラーリングが全体をエレガントにまとめ上げている。世界限定100本での販売となる。
スイスとイタリア、それぞれの伝統と創造性のコラボレーション
ショパールは、イタリアのテーラー「キートン」のアトリエとパートナーシップを結び、コラボレーションモデル「L.U.C XP IL サルト キートン」を発表した。このモデルは、ショパールが誇るスイス製機械式時計の精緻な魅力と、キートンが誇るイタリアのスプレッツァトゥーラ(さりげないエレガンス)を見事に調和させた1本に仕上がっている。
ショパールの「L.U.C」は、同社初の自社製ムーブメントと共に、1996年に発表されたコレクションである。ドレスウォッチらしいクラシックなデザインと、細部まで仕上げられたムーブメントは、それまで宝飾ブランドとしての認知が強かった同社を一躍高級時計ブランドとして知らしめた。その後、ミニッツリピーターやパーペチュアルカレンダー、クロノグラフ等の複雑機構を次々と開発し、マニュファクチュールとしての矜持を示していった。今作に搭載される「Cal.L.U.C 96.53-L」は、巻き上げ効率を重視したタングステン製マイクロローターを備えた、厚さ3.3mmの薄型自動巻きムーブメントである。初代の「Cal.L.U.C 96.01-L」同様、ふたつの香箱(ショパールツインバレルテクノロジー)による、約58時間ものロングパワーリザーブと安定した駆動も受け継いでいる。各パーツは細部まで仕上げがされており、地板にはペルラージュが、ブリッジにはコート・ド・ジュネーブと面取りが施されている。自動巻きでありながら、ローターに邪魔されることなくそれらの仕上げを鑑賞できるのは、マイクロローターの利点だ。
対してキートンは、1968年にチロ・パオーネによって創業されたナポリのテーラーだ。生地のカッティングやアイロン、縫製等の工程は、それぞれ専門のサルト(仕立職人)が担当し、1着のジャケットは150人のサルトと20時間もの工数をかけて完成される。豊かな創造性に基づく現代的なコレクションを展開しつつも、伝統的な製法をしっかりと守っている。
両社とも伝統に則りながら、持ち前のクリエイティビティを発揮したものづくりを行っており、今回のコラボレーションに至ったのはごく自然なことと思える。
カルヴァニック加工とラッカー仕上げのダイアルは、キートンのアトリエがイギリス国王エドワード8世のワードローブをオークションで落札して以来、好んで使用している千鳥格子柄をあしらっている。ケースはステンレススティールにビーズブラスト加工とDLCコーティングを施したものだ。ストラップはモンゴル産カシミヤ、ウール、フランネル、少量のスパンデックスを手作業で組み合わせ、製造されている。裏材にはレッドアリゲーターライニングが用いられており、ダイアル上の15分ごとのマーカー、6時位置のキートンロゴ、ストラップのステッチと共にアクセントとなっている。時分針とインデックスは、ゴールドカラーが採用され、ダイアルからケース、ストラップまでブラックに統一されたカラーリングの中で、一際輝きを放っている。
チロ・パオーネの格言「エレガンスとシンプリシティは表裏一体である」の通り、「L.U.C XP IL サルト キートン」は、簡潔であるが故の気品を感じさせるモデルとなっている。
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