スイスの高級時計ブランド ボヴェが、2020年の新作「リサイタル 26 ブレインストーム® チャプター ツー」を発表した。ブレインストーム チャプター ツーは、2016年にパスカル・ラフィ氏によってデザインされた、アイコニックな“ライティングスロープ”型の非対称ケースに収められており、ボヴェ コレクションの中で2番目にサファイア製ケースを採用した時計である。
比類のない精巧な高級機械式時計づくり
硬くて製作が困難なサファイアケース
澄んだ透明性からケース素材として選ばれたサファイアは、ダイヤモンドの次に硬い素材であると同時に、あまり知られていない要素として、チタニウムよりも軽いという特長も有している。サファイア製ケースは、既に40年近く前から知られている一方で、素材そのものの硬度が原因で加工やポリッシュする上で制約があり、現在に至るまでそのデザインは、比較的シンプルなものにとどまっていた。“ライティングスロープ”型ケースのアシメトリカルなミドルケース側面、ベゼル、そして風防ガラスの形状が、これまで解決策の無かった難題を、技術者たちに突きつけたのだ。
特許を有する両面フライングトゥールビヨン
■ボヴェ「ナインティーン サ―ティー フルリエ / 19thirty Fleurier」
手巻き(cal.17DM06-DT)。21,600振動/時。パワーリザーブ約5日間。サファイアケース(直径47.8mm)。18KRGケース(直径46mm)。30m防水。世界限定60本。4420万円(サファイアケース / 税別)。4160万円(18KRGケース / 税別)
秒表示は、6時位置に配された、1分間に1回転するトゥールビヨン上に設けられたインデックスで表示される。3時位置のドーム状ディスプレイは、この時計のために開発された特許取得済みの機構を用いた第2時間帯が表示される。ドームの回転部分には24の時間帯に対応した24の都市名がプリントされており、ドームの裾野部分のリングに配された目盛に沿って、24時間をかけて1回転する。立体的なV型の針を用いて、希望するタイムゾーンを選べるようになってもいる。9時位置には回転するドーム状のムーンフェイズ表示が配されている。表面にはまず月面の模様がハンドエングレーブされ、次に発光塗料が同様に職人の手によって塗布されている。ドーム状の月を見下ろすように開けられた二つの丸型の窓は、それぞれ北半球と南半球から見える月齢を表示する。このムーンフェイズ機構の精度は極めて高く、必要な調整は127年に1度、1日分のみである。
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