オーデマ ピゲとマーベルの長期コラボ成立！ 第1弾はブラックパンサーのフライング トゥールビヨン

Cal.2965にもブランクパンサーを連想させるアレンジが

　搭載される手巻きフライング トゥールビヨンのCal.2965（2018年初出）にも、独特なアレンジが加えられた。ブラックPVD仕上げの地板には、ブラックパンサースーツをイメージさせる幾何学パターンが加えられたほか、日の裏側にもグレーPVDで仕上げたTi製のプレートを追加。完全なダイアルレスとなる本作では、このムーブメントの上に直接、ブラックパンサーのレリーフが乗せられている。ホワイトゴールド製の板材からCNCカットされ、手作業によるエングレービングで仕上げられる。彩色ももちろんハンドペイントで、ひとつを仕上げるのに約30時間。裏側には機能パーツを避けるための逃げを設けると同時に、リブ状に仕立てることで強度も確保している。

　このレリーフは、CNCによる正確無比なカッティングと、伝統的なミニアチュールの技法を融合させた象徴的なパーツで、作業に携わるのはエングレーバー4名とペインター4名。その専門チームが、世界限定250本＋1本分のブラックパンサーを生み出している。ちなみにこの＋1本とは、4月10日にLAで開催されたオークションに出品されたユニークピースの使用分を指し、こちらはケースとベゼルが18KWG製。ムーブメント同様の幾何学パターンが、ケースとベゼルにも彫り込まれている。

　きら星のごとくスターキャラクターを抱えるマーベル作品の中から、最初のヒーローに選ばれたブラックパンサー。正直このセレクトは少々意外に感じたが、今なら大正解だったと断言できる。最初にブラックパンサーを選んだからこそ、シックな色合いの中に力強さを感じさせるマスターピースが生まれたのだ。これがキャプテンアメリカだったら、そりゃあド派手になりそうだが、それはそれで見てみたい気も……。冒頭で述べたとおり、今回のコラボレーションは長期プロジェクトになることが約束されているので、今後作風は多彩になってゆくだろう。