カルティエ現代美術財団は、2021年7月21日より、21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3にて、『横尾忠則:The Ar tists』展を開催する。横尾忠則の絵画の世界に浸ることのできるこの展覧会は、アーティスト、哲学者、科学者など、財団の依頼で横尾忠則が描いた肖像画のシリーズ全139作品が展示され、カルティエ現代美術財団というフランスの文化機関の歴史を刻んだ人々へのオマージュとなっている。
横尾忠則:The Artists
横尾は人物の特異性を生かし、キャンバスを芸術的な実験の遊び場に変え、ユニークなキャラクターの個性を表現。横尾の計り知れない独創的な才能をまとめて展示する肖像画ギャラリーが出現する。
2014年、カルティエ現代美術財団が設立30周年を迎えるにあたり、横尾忠則を招き、1984年の創設以来、財団における展覧会の歴史として刻んできた人々の肖像画を依頼した。横尾はこの挑戦に自由闊達に向き合い、絵画による冒険に乗り出します。日に1作品か2作品、ときに3作品というペースで3ヶ月の時間をこの肖像画の制作のみに費やし、石上純也や川内倫子、アニエス・ヴァルダ、蔡國強など、世界中の芸術家や思想家、批評家や科学者らの肖像画の制作に取り組む。油彩画の技法や33cm×24cmというサイズは作品のすべてに共通しているが、表現においては実に多彩なスタイルが試みられた。「変化は創造である」と名言している横尾とって、キャンバスは無限の実験空間。新たな表現方法を展開できる場であり、グラフィックとイメージとの戯れの場でもあったのだ。
21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3での展覧会
横尾忠則の世界を一層深く伝えるのが、映像作家の岡本憲昭が本展のために制作した映像だ。東京都内にあるアトリエで横尾は、カルティエ現代美術財団との関係や21_21DESIGN SIGHTの創立者でもある三宅一生との関係について、心のままに語っている。本展のポスターも横尾忠則によって制作された。三宅一生やサラ・ジー、マーク・ニューソン、ロン・ミュエクらの肖像画の宇宙が、影として描かれ、謎めいている横尾の自画像をとり囲んでいる。そこでは、描かれる対象であるアーティストのみならず、横尾本人に関してもまた、肖像画の制作を通して語られるのだということが示唆されている。
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