グランドセイコー、創業者の信条を木目調のダイアルで表現した新モデルを発表

グランドセイコーはセイコー創業140周年を記念し、創業者の信条とセイコーの進化を大樹の年輪にイメージを重ねて表現した新作を発表した。新型スプリングドライブムーブメントCal.9RA2を、18Kピンクゴールド製のケースに搭載した、特別感漂う限定モデルである。世界限定140本で、2021年11月19日（金）より発売開始予定となっている。

独創的な“年輪ダイアル”第2弾

　グランドセイコーは、セイコーの創業140周年を迎える2021年、年間を通じて複数の記念モデルを発表している。今回発表された新作「ヘリテージコレクション セイコー創業140周年記念モデル」SLGA008は、有機的なダイアルと新型のスプリングドライブムーブメントを、18Kピンクゴールド製のケースに搭載した、グランドセイコーの上位モデルである。

　セイコーの創業者である服部金太郎の「常に時代の1歩作を行く」という信条のもと、グランドセイコーはブランド創業以来、最高峰の腕時計を作ることを目指してきた。そして正確さや見やすさ、美しさといった腕時計の本質を、高い次元で追求し実現するため「革新と進化」を続けてきた。

　この創業者の信条とブランドの進化を、1年ごとに1層ずつ年輪を重ねていく大樹をイメージしたダイアルに投影したのが本作だ。このコンセプトは、今年7月に発売を開始した、キャリバー9SA5を搭載したメカニカルモデルで最初に採用されており、黒いダイアルとプラチナ製のケースを組み合わせていた。

　これに続いて発表された今作では、ダークブラウンのダイアルとピンクゴールドのケースを組み合わせ、前作と対をなすような温かみのある外観である。大樹の年輪をモチーフにしたダイアルは、従来の型打ち模様よりも高低差を広げ、流線的な木目の溝にも数百ケ所にもおよぶ細かな筋目模様を施すことで、独創的でリアリティのある質感に仕上げた。

　視認性を特に重要視するグランドセイコーらしく、インデックスと針の造形には一層気を配っている。ケース同様18Kピンクゴールド製のインデックスは塊から削り出し、ポリッシュとヘアライン仕上げを使い分けて中央に深い溝を入れることで、繊細で美しい輝きを放っている。また針も同様で、鋭く面取りされた時分針は力強い対比関係によって識別製を高められている。

　加えてケースの造形は、1967年発表の「44GS」で採用されたデザインを継承しながら、「光と影の間」に美を見出す日本の感性が取り込まれている。グランドセイコーが得意とするザラツ研磨によって仕上げられた面には歪みがほとんどなく、この上ない質感を生み出している。

次世代を担う新型スプリングドライブムーブメント

　このモデルが搭載するムーブメントは、グランドセイコー専用の新型キャリバー9RA2だ。2020年に開発された革新的なムーブメント、キャリバー9RA5と同等の性能を有しながら、新たにパワーリザーブインジケーターを輪列受け上に配した仕様である。

　自動巻き上げ機構である「マジックレバー」を一般的な中心位置からオフセットさせることで、ムーブメントの薄型化に成功。加えて、リュウズの位置を可能な限り裏蓋側に寄せることで重心を下げ、ケースの装着感を向上させている。

ブルースティールのパワーリザーブ針を備え、厳寒気の信州地方で見られる霧氷を表現した「信州霧氷仕上げ」のムーブメントは、トランスパレント仕様の裏蓋から鑑賞することができる。

　さまざまな面で進化を遂げたキャリバー9RA2は、グランドセイコーの次世代を担う革新的な機械なのだ。