ローマン・ゴティエは、これまでのイメージを塗り替える、モダンなデザインを持つ新作「C by ローマン・ゴティエ」を発表した。16年以上にわたる、ブランドの発展を通して獲得したノウハウの結晶とも言える作品だ。
フリーダムコレクションの考えから誕生した新作
2005年に創業されたローマン・ゴティエの時計は、年間生産数約60本だ。すべてローマン・ゴティエ自身が設計した自社製ムーブメントが搭載されている。伝統的な時計作りにローマン・ゴティエが専門分野とする精密工学が融合して作られる時計は、強い個性を持ちながらも、手作業による細やかな装飾技術や、古典的な時計の仕組みを再解釈した設計も高い評価を得ている。
今回の新作は2011年にスタートした「フリーダムコレクション」の“本質は技術にあり、スタイルはカジュアルに、そして精神は自由に”という考えから誕生したものだと言えるだろう。時間や空間における真の継続と未来のビジョンを表し、ブランドにとって新しい領域を広げた。
この時計を製造している間、ローマンにとって常に明らかだったのは、ケースはムーブメントと調和すべきだということ、しかもそれは現代的で整っている必要があるということだった。さらに設計に際し、快適さや人間工学、素材の選択を十分に考え、その結果ケースはすべてグレード5チタンで作られた。ダイアルのベースにもグレード5のチタンが採用することでデザインに一貫性を与え、連続性と名付けられた意味が感じられる。
シンプルでありながら独創的なダイアル
“コンティニュアム”とは連続性という意味を持つ単語である。これはムーブメントの設計だけでなく、ダイアルのデザイン要素にも取り入れている。時分針はオフセンターに配置。インデックスは徐々に細くなるようにデザインされ、しかもそれぞれの長さが異なっている。また、7時位置にあるスモールセコンドでレッドカラーに彩られた5秒ごとの目盛は、インデックス同様にそれぞれ長さが違っており、ラインの先端へと向かって細くなっている。
ローマン・ゴティエは、なぜダイアルにこのような凝った見え方を持たせたのか。彼は次のように説明した。
「時計製造の中でよく見るような“囲まれて閉じた円形”より、開かれて風通しの良いダイアルにしたいと思っていました。ダイアル上でインデックスを伸ばしたラインは軸に向かって徐々に細くなり、やがてほとんど見えないくらいの点になるというイメージです。これこそ持続性という考えを強調しています。」
強い印象を与えながらも、決して調和を乱さないスタイルが凝縮されているように見える。サンドブラスト加工されたチタンの風合い、インデックスの不揃い、時分針の鋭さが絶妙なバランスを保っているところに珍しさを覚えると同時に、洗練されたデザインだと感じさせられる。
スネイルカムを採用したストップセコンド機能
本作には珍しいストップセコンド機構を搭載している。その仕組みは他の多くのストップセコンド機能と同様に、リュウズを引いた瞬間、C by ローマン・ゴティエのテンワにブレーキをかけるというものだ。しかし、ローマンは動きを止めるために、ストレートあるいはL字型のストップレバーを使わずに、スネイルカムを採用することを選択した。
これにはふたつの意味があり、まずリュウズを引くとスネイルカムがテンワに触れてその動きを止める。次にリュウズを押し戻した時に、スネイルカムが止めた位置から回転するが、カムの段々と広くなるフォルムが回転することにより、再びテンワが勢いよく動き始めるための助けとなるのだ。
ローマン・ゴティエが誇る美しい装飾
印象的な装飾はブリッジやメインプレートだけに留まらない。ローマン・ゴティエのトレードマークである、面取り加工されたリングを繋げた形状のスポークが特徴の歯車やラチェットホイールには、円形模様の装飾(サーキュラー・グレイン)が施され、クリックやスネイルカム、独自のS字型ネジなどは美しいポリッシュ仕上げ。また、主ゼンマイを収めた香箱の蓋は、渦巻状の模様(スネイルリング)で装飾されている。
コンティニュアムの調速機構は、わずかにカーブしたアームを持つテンワ、極小の目盛が付いた偏心の補正ねじと、剛性を高めるために三角形を取り入れたアンクルなど、ローマン・ゴティエらしい特徴を備えている。
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