2022年の旧正月を祝うブランパンの新作モデルは、グラン・フー・エナメルダイアルに太陰太陽暦を表示し、ケースバックには寅が刻まれているプラチナモデルだ。
中国の暦を表示する数少ないコンプリケーション
さまざまなカレンダータイプを展開するブランパン「ヴィルレ」コレクションの中でも、今回新たなバリエーションが発表された中国暦が表示される限定モデルは、数千年かけて構築され中国の伝統に深く根差す基本原理に基づいて作られている。
自動巻き(Cal.3638)。39石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約168時間。Ptケース(直径45.2mm)3気圧防水。世界限定50本。価格未定。
ブランパンが自社開発した複雑機構である、トラディショナル チャイニーズカレンダーの文字盤には、時、分、グレゴリオ暦、そして中国暦が表示される。この中国の暦には、伝統的な2時間刻みの時辰、曜日、月、閏月の表示、十二支、五行と十干(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸から成る10の要素の集合)が含まれている。また、中国の暦の月を決める基準であり、ブランパンのコンプリートカレンダーの重要な要素であるムーンフェイズも文字盤に配されている。
ヴィルレ コレクションのシグネチャーであるデザイン要素を忠実に受け継ぎ、直径45mmのダブルステップ・ベゼルのケースには、容易に機能を調整できるアンダーラグコレクターが搭載されている。このケースが、ブランパンの職人のサヴァフェールをあらわす表示を囲む。
チャプターリングはゴールド製の植字で、その他の表示はエナメルで描かれている。くり抜かれた葉のような形状をした主要な針は、18世紀の時計製造の伝統を彷彿とさせる、グレゴリオ暦の日付を指し示すブルースティール製のサーペント針を組み合わせている。
実用的で象徴的なトラディショナル チャイニーズカレンダーは、時間のコンセプトに対するさまざまなアプローチを考える機会を時計愛好家たちに与える。殷の時代にさかのぼる古代中国から使われている暦は、かつては日本においても重要な存在ではあったが、現代の日本では十干十二支を使用する機会は少なくなっている。
日常生活において十干十二支を目にする機会といえば占いぐらいではないだろうか(還暦は十干十二支の最後の干支である60番目の癸亥“みずのとい”に所以する)。干支にはそれぞれに意味があり、2022年の干支である「壬寅(みずのえのとら)」は、冬が厳しいほどに春の芽吹きは華々しく、生命力にあふれる年になるという意味が込められている。
現代でも中国では日本以上に日常に深く根付いたものであり、このタイムピースはいかにも実用的であることに気付かされる。シリアルナンバー入りの50本は、このような豊かな多様性の新たな実現と言えるだろう。
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