オメガミュージアムが自社の「スピードマスター」を約7600万円で落札!

2021.12.24

アメリカの小説家であるラルフ・エリソンが約25年の間愛した、オメガのスピードマスターがフィリップスのオークションに出品されたことで話題になり、この個体をオメガミュージアムが約7596万円で落札した。故郷であるスイス・ビールの地へ戻り、オメガミュージアムで展示されることとなった。

スピードマスター


ラルフ・エリソンのスピードマスター、故郷へ戻る

 webChronosでは2021年12月10日、小説家ラルフ・エリソンが所有していたオメガの「スピードマスター」がフィリップスのオークションに出品されるニュースを紹介したが、今回はその続報である。

 このスピードマスターを、オメガミュージアムが落札したのだ。1万〜2万ドル(約113万〜227万円、1ドル=113.75円、2021年12月21日現在、以下同)のエスティメイトに対して、実際の落札価格は66万7800ドル(約7596万円)となり、予想の40倍以上のハイプライスを生んだ。

 今回オメガミュージアムが落札したことにより、この特別なスピードマスターはブランドの故郷であるスイスの都市ビールに戻り、ミュージアムで展示されることになったという。

ラルフ・エリソン

ラルフ・エリソン氏は、1952年に出版された小説「見えない人間」で知られるアメリカの小説家だ。彼の個人的な苦悩を色濃く反映したこの小説は、20世紀初頭にアフリカ系アメリカ人が直面していた社会問題をテーマにしており、当時、ジャンルを超えて大きな反響を生み、高い評価を得た。53年、彼は全米図書賞フィクション部門を受賞し、アフリカ系アメリカ人作家としては初めての快挙となった。

 オメガ社の社長兼CEOのレイナルド・アッシェリマンは、今回のオークションについて次のように述べた。

「ラルフ・エリソン氏が所有していたタイムピースを、スイスのオメガ本社に持ち帰ることを大変光栄に思います。彼は絶大な影響力を持つ作家であると同時に、強烈な個性と才能を併せ持った才人でした。人並外れた人生を歩んだエリソン氏と長い時間をともにしたこのスピードマスターは、我々のミュージアムが有するヘリテージ・コレクションの中でも特別な意味を持つ1本となるでしょう」

スピードマスター

彼が所有していたスピードマスター(ST145.012)は、1968 年にアメリカに出荷され、その直後、リバーサイドパークでインタビューを受けたエリソン氏がこのタイムピースを着用している様子は、この写真に証拠としてはっきりと残されている。94年に亡くなるまで、25年以上にわたってこの時計を愛用していたことが分かっている。彼は非の打ち所のない洗練されたスタイルでもその名を知られていたが、きちんと仕立てられたスーツの袖口の下には、いつもこのスピードマスターの姿があったという。

 そして、オメガのブランド ヘリテージ部門の責任者であるペトロス・プロトパパスは、次のように語った。

「エリソン氏の時計は、アメリカ文学界との貴重なコネクションといえます。この時計からは、彼の活動的な生活の痕跡が実際に見て取れるのです。そして、ひとりの作家から長らく愛されてきたその姿は、唯一無二の個性を放っています。私たちは、このタイムピースを入手できたことをとても嬉しく思っています。今後、ミュージアムを訪れるお客様に、このタイムピースが持つストーリーを共有できることを楽しみにしています」




Contact info:オメガお客様センター Tel.03-5952-4400


アメリカの小説家、ラルフ・エリソンのオメガ「スピードマスター」がフィリップスに出品

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オメガ「スピードマスター」の歴代最高落札価格を約3億8700万円で更新

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オメガ 新旧スピードマスター 徹底解析

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