ブルガリは、LVMHウォッチウィーク 2022で新作「オクト ローマ ブルー カリヨン トゥールビヨン」を発表した。複雑機構であるトゥールビヨンとミニッツリピーターを搭載しており、オープンワークが施された文字盤から緻密なメカニズムの動きを鑑賞することが可能だ。世界限定30本のみの展開となる。
プラチナとチタンが織りなす音の芸術性
複数のブランドが新作発表を行うイベント「LVMHウォッチウィーク 2022」において、今回ブルガリが披露した新モデルのひとつが「オクト ローマ ブルー カリヨン トゥールビヨン」だ。本作は、トゥールビヨンとミニッツリピーターという複雑機構を搭載したコンプリケーションウォッチである。
現代的な解釈はブルガリにとって不可欠な要素であり、日々のウォッチメイキングの開発に活かされている。本作では、ふたつの古くからある伝統的な機構を組み合わせながら、ブランド独自のデザインによってモダンに表現した1本。ウォッチメイキングの伝統を、モダニズムへ再定義している。
手巻き(Cal.BVL428)。36石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約75時間。Pt×Tiケース(直径44mm、厚さ12.83mm)。30m防水。世界限定30本。予価3817万円(税込み)。
本作で目を引くのは、カーボンベースの真空蒸着によってブルーカラーに染められたブリッジを備える、スケルトンムーブメントだろう。3つのハンマーを備えた手巻きムーブメントCal.BVL428は直径35mm、厚さ8.35mmで、432個もの部品で構成されている。
ストライキングウォッチにおいて重要なパーツであるゴングは、手作業で複数の工程を踏んで製作される。切削、ヤスリ掛けを経て形ができてから約900度で焼きなました後、約500度の炉に入れて表面を滑らかにする。こうすることで、このストライキング機構が澄んだ音で響く。また、コングと同様にハンマーにヤスリを掛けることで共鳴する音色を調整する。なお、3段階の音を出す3つのハンマーのカリヨンは、時間を「ド」、15分を「ミ・レ・ド」の音、分を「ミ」の音でメロディーを奏で、この機構はミドルケースの左側にあるプッシャーで動かすことができる。
このムーブメントを取り囲むケースにも工夫が見られる。プラチナ製のケースを取り囲むのは、ブルーカラーのチタン製ミドルケース。ストライキングなウォッチで重要な要素である、音量と明瞭性を高めるように設計されている。特にミドルケースは、音を可能な限り響かせるため空洞になっており、3つのゴングに対応する3つの開口部が、音を外へと響かせる。
効果的に音を伝えるためケースに直接ゴングを固定し、素材はチタンを使用することで、クリアな音を広げることに成功。ケースバックもくり抜きチタン製のグリッドを付け直し、共鳴する範囲を保護しながら音を外へ伝えるようになっている。世界限定30本という希少性も、この時計の価値を上げるひとつの要素だ。
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