シチズンは、伝統的な自然由来の方法である「天然灰汁発酵建て(てんねんあくはっこうだて)」で手染めされた藍染の土佐和紙をダイアルに用いた、光発電エコ・ドライブモデル2モデルを追加した。「ジャパンブルー」と呼ばれる藍染の中でも、この手法により染められた藍色は、深みがあり冴えた色調が特徴であり、光を透過させながら美しい風合いを持つ土佐和紙との組み合わせにより、表情豊かなダイアル表現が期待できる。
新たに採用された「藍染」という伝統技法
本作の藍染を担当するのは、阿波藍の産地として知られる徳島県上板町を拠点に活動する藍染工房「Watanabe's」である。その染色方法の「天然灰汁発酵建て」は、蓼藍(たであい)という植物の葉を乾燥、発酵させて作る蒅(すくも)をもとに、木灰汁(もくあく)などを加えて発酵させた染液によって染める手法であり、Watanabe'sは、藍の栽培、蒅造り、染色、製作を一貫して行っている。
光発電クォーツ(Cal.0100)。パワーリザーブ約8ヵ月(パワーセーブ作動時)。Ti+デュラテクトプラチナ(直径37.5mm、厚さ9mm いずれも設計値)。5気圧防水。特定店限定モデル。価格未定。2022年秋冬発売予定。
伝統的な藍染手法の特徴は、染直後は藍色ではなく、空気にさらされることで藍色に発色する点である。蓼藍の持つ青色の成分単体では染色できる素材が限られ、藍染で一般的な木綿は染めることができない。
そこで藍染では、発酵による還元を経た染液を用いることで木綿や和紙に吸着させている。そして、染液に漬けた木綿や和紙を空気にさらして酸化させて、藍色に発色、定着させる。この手法により染色可能な素材は増えるが、染液の発酵状態の管理が必要で、安定した発色が難しいとされる。
今回、天然灰汁発酵建てで藍染された土佐和紙ダイアルを備えたモデル2種が追加された。
ひとつめは、年差±1秒の世界最高レベルの精度を備えるCal.0100を搭載するモデルだ。明るい色調が特徴の表面効果技術であるデュラテクトプラチナを施した直径37.5mmスーパーチタニウムケースに、ワニ革ストラップを合わせてドレッシーに仕立てている。
使用するワニ革は、レザーワーキンググループ(LWG)と呼ばれる、皮革製造に関わる環境負荷と製造工程での安全性についての審査を行う国際団体による認証を得たもので、持続可能性に配慮されている。
光発電クォーツ(Cal.A060)。パワーリザーブ約1.5年(パワーセーブ作動時)。Ti+デュラテクトプラチナ(直径40.0mm、厚さ12.2mm いずれも設計値)。10気圧防水。価格未定。2022年秋冬発売予定。
ふたつめは、パーペチュアルカレンダー搭載で、パワーセーブ作動時には最長1.5年可動するCal.A060を搭載するモデルだ。ケースとブレスレットは、デュラテクトプラチナを施したスーパーチタニウム製で、10気圧防水を備えているほか、針とインデックスには蓄光が施されており実用性が高い点が特徴だ。
いずれも2022年秋冬の発売を予定している。
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