2021年発表のザ・シチズン「メカニカルモデル キャリバー0200」に、日本の甲冑から着想を得た限定モデルが追加された。槌目(つちめ)模様を思わせる凹凸のあるブラックダイアルに、かつて甲冑用とされた皮革の加工技術を用いた「姫路黒桟革」、黒色のジルコニアセラミックベゼルの特別な組み合わせが与えられた本作は、世界限定90本である。
日本の甲冑に着想を得た、三つの異なる「黒」を用いた限定品
さまざまな金属加工や皮革加工の技術が結集された日本の甲冑は、武具としての道具の美しさに加え、自己を示す装身具として進化した歴史を持つ。今回発表された新作は、腕時計と日本の甲冑の間に装身具という共通項を見出してデザインされた。
自動巻き(Cal.0200)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。SS(直径40mm、厚さ10.9mm)。5気圧防水。世界限定90本。特定店限定モデル。2022年秋冬発売予定。価格未定。
本作には3つの異なる「黒」が取り入れられている。ひとつめは、槌目模様を思わせるテクスチャーを備えるブラックのダイアルである。槌目模様とは、ハンマーで叩いてわずかに凹凸を付ける技法である。本作は、この槌目模様を模した凹凸をシチズンが得意とする電鋳で表現しており、これによりダイアルの表情を豊かにして光の反射に穏やかさを与えている。
ふたつめは、甲冑に用いられた鞣しと加工技術が用いられた姫路黒桟革である。本作に用いられる姫路黒桟革は鞣した牛革のシボ部分に漆が施されたもので、何度も塗りと乾燥を繰り返すことで生まれる量感と艶が特徴である。姫路黒桟革のシボ部が艶やかに光る様子から「革の黒ダイヤ」とも称されており、本作のイメージに欠かせない物だ。
そして3つめは、ブラックのベゼルである。コレクションで初めて採用されたこのベゼルは、ヘアライン仕上げのジルコニアセラミック製で、高い硬度と美しい黒色を持つ点が特徴である。
ここに組み合わされるステンレス製ケースは、既に加工品質が高く評価されているものであり、本作においては刀剣の鋭さを思わせる仕上がりである。
搭載されるCal.0200は、2021年に11年ぶりに投入された自動巻きムーブメントであり、フリースプラングの採用や肉厚の歯車と頑強な設計、高い仕上げ技術を備えている。本作ではK22ゴールド製の特別な回転錘が与えられており、ムーブメントの仕上げと併せてトランスパレント仕様のケースバックから鑑賞することができる。
また、従来通り、完成時計状態での全数精度検査の後に、検定合格証とともに出荷される。なお本作は特定店限定モデルとなり、2022年秋冬の発売が予定されている。
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