ゴールドの3部作を締めくくるため、F.P.ジュルヌは、2004年のプラチナ製ヴァガボンダージュ I の復刻版とは異なる、最後のモデルを発表した。18年の時の流れを強調するかのように、「ヴァガボンダージュ I ゴールド」は現代化されたムーブメントを搭載している。このキャリバー1504.2は、従来通り手巻きムーブメントで、ケースのサイズは45.2mm x 37.5 mmとなる。
ヴァガボンダージュ I ゴールド – キャリバー 1504.2
ヴァガボンダージュの誕生
1997年、フランソワ-ポール・ジュルヌは友人のために斬新な自動巻きムーブメントを搭載したモデルを製作した。ラウンド型イエローゴールド製ケースのこの時計はCARPEDIEM (カルペ・ディエム)“今という時を大切に使え”と名付けらた。このタイムピースの文字盤には、中央に見えるバランスホイールの周りを放浪するようにジャンピングアワーが表示されていた。その後、フランソワ-ポール・ジュルヌは、CARPEDIEM から着想を得た文字盤上にスライディングアワーを表示する、フラットトノー型のケースに手巻きムーブメントを搭載するためデザインし直した腕時計を開発しのだが、当時、他のプロジェクトを抱えていた彼は、このモデルをプロトタイプの段階に留めたままにする。
2003年、フランソワ-ポール・ジュルヌは、時計専門のオークションハウスであるアンティコルムの30 周年記念イベントとして行われたチャリティーオークションへの参加の打診を受けた。アンティコルムは、1点物のユニークピース希望したが、製作期限はわずか6 ヶ月しかなかった。この時点でユニークピースの製作は実現不可能だと考え、彼はヴァガボンダージュのプロトタイプを完成させ出品することを決める。
結果的には、1 つではなく3点の“ヴァガボンダージュ”のユニークピースが発表された。すべて真鍮製ムーブメントを搭載した、ローズ、ホワイト、イエローゴールドのケースがそれだ。審美性のために、文字盤上にブランド名は入っていなかった。これらの作品のオークションは大成功を収め、フランソワ-ポール・ジュルヌのもとには、このモデルをさらに幅広いコレクターに向けに製作して欲しいという、数多くのリクエストが届くことになる。ヴァガボンダージュはこの当時の他のモデルとの審美的な相違から、彼はこれらの希望を非常に限定された本数だけを製作することで受け入れた。
2004年:ヴァガボンダージュ I – キャリバー 1504
ヴァガボンダージュ I は、ローズゴールド製ムーブメントを搭載し、プラチナ製ケースで69 本のみ限定製作された初めてのタイムピースだ。まるで放浪するかのような動きで分を示す窓により、スライディングアワーを表示する。2003年にオークションに提案された3 部作のように、文字盤には何も記載されていない。この特徴は、手巻きムーブメントの使用と共に保持された。
2010年:ヴァガボンダージュ II – キャリバー 1509
先行作品の独特なスタイルを忠実に守り、ヴァガボンダージュ II は、フラットトノー型のプラチナ製ケースで提案され、独特な時間と分がデジタル表示の手巻き時計として製作された。
高まる名声と拡大するコミュニティを考慮したフランソワ-ポール・ジュルヌは、プラチナ製ケースの69 本に加え、6N ローズゴールド製ケースで68 本製作することを決める。シリーズの愛好家たちのために、ヴァガボンダージュ I のオーナーがヴァガボンダージュ II を購入の際、同じシリアルナンバーを取得できる機会も提供した。
2017年:ヴァガボンダージュ III – キャリバー 1514
最後のシリーズが登場したのは2017年、時間と秒がデジタル表示による世界初をダブルで備えたヴァガボンダージュIIIを発表した。この機能は極めて高い複雑さにより、それまで時計製造業界で開発されたことはなかった。
また1 秒ルモントワールも備えたこのヴァガボンダージュIII は、6N ローズゴールド製で68 本、プラチナ製ケースで69 本限定製作された。再度この作品でも、フランソワ-ポール・ジュルヌは、同じシリアルナンバーが付いたヴァガボンダージュ II のオーナーに対して優先的に最初の割り当てを行なった。
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