ジャガー・ルクルトは、ウォッチズ&ワンダーズ 2022で新たなワールドタイムウォッチ「マスター・グランド・トラディション キャリバー948」を披露した。エナメルで描かれた世界地図が24時間で1回転する仕組みを採用し、フライングトゥールビヨンが60秒で1回転しながら文字盤を公転する。
壮大な宇宙を感じさせる動きを魅せた1本
ジャガー・ルクルトは、ワールドタイムコンプリケーションモデル「マスター・グランド・トラディション キャリバー948」を発表した。
今作は、フライングトゥールビヨンのケージが、60秒で1回自転するのに加えてダイアルを1周24時間で反時計回りに公転する機構を備える。そして、この公転に伴って伝統的なエナメル技法で描かれた世界地図も回転し、これにより各タイムゾーンの現地時間を指し示すことが特徴である。
自動巻き(Cal.948)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約48時間。18KWG(直径43mm、厚さ14.13mm)。5気圧防水。世界限定20本。価格要問い合わせ。
時計がダイアル上に表現している「24時間を1日とする時間経過」は、太陽の周期が基準となっている。この周期は主に地球の自転によって生じるため、地球上のどこかで日の出と日の入りが同時に発生していることになる。そのため、太陽が南中する時刻を正午とする管理方法を取ると、地球上の地点によって異なる時刻を運用しなければならない。これがタイムゾーンの考え方である。
今作は、この地球のダイナミズムと時刻の対応関係を可視化した機構を持つムーブメント、キャリバー948を搭載する。このキャリバー948は、一般的なフライングトゥールビヨンと同様に60秒で1回自転するのに加えて、ダイアルを一周24時間で反時計回りに公転する機構が特徴である。
また、この公転に伴って、ダイアルに描かれた北極点から見た世界地図と、その周囲の都市名リングも回転し、各都市(タイムゾーン)の現地時間が指し示されるワールドタイム機能を備える。
今作の見どころのひとつは、立体的な世界地図だ。公転する陸地部分と、その奥の海洋に見立てたダイアルベースの二層構造となっており、それぞれ伝統的なエナメル技法のシャンルヴェが施されている。これは、陸地部分の形状に切り出したホワイトゴールドのプレートに、実際の隆起に見立てた窪みを彫ってゆき、そこにエナメル層を重ねて満たしてゆくことで作られている。海洋の部分も、波に見立てたギョーシェ彫りの上にブルーのラッカーを施して、表情と奥行きのある仕上がりとなっている。
一見複雑に見える今作であるが、使い勝手にも配慮されている。時刻調整は、リュウズ操作によってある都市の時刻を都市名リングと24時間表示で調整した後、時針単独修正でローカルタイムに調整する。これにより、現在地のローカルタイムを時分針で確認でき、世界中の主要都市の現地時間をひと目で確認することができる。
Contact info: ジャガー・ルクルト Tel.0120-79-1833