【2022年 新作】チューダーのヴィンテージモデルを代表する「レンジャー」が、現代的なスペックと共に復活

2022.07.15

チューダーより、英国海軍による北グリーンランド遠征探検の70周年を記念し、新作「レンジャー」が発売された。今作は、1960年代に登場した「Ref.7995」のデザインを継ぐツールウォッチであり、マニュファクチュールキャリバーと39mm径ケースを採用している。

レンジャー


チューダーの冒険へのスピリットを象徴する「レンジャー」が、待望の復活

 チューダーより、時刻表示に特化したツールウォッチ「レンジャー」が発売された。4つのアラビアインデックスに矢印型の時針の組み合わせは、往年のチューダーファンが長らく待ち望んでいたものだろう。

 1960年代に登場した「Ref.7995」にまでさかのぼる、このアイコニックな意匠は、チューダーのヴィンテージモデルを代表するものとして知られていた。2014年には、41mm径のケースを纏った「ヘリテージ レンジャー」が発表されたものの、日本国内では販売されず、歯痒い思いをした方も少なくないだろう。

レンジャー

北グリーンランド遠征探検では、チューダー「オイスター プリンス」の性能調査が行われた。その内容は、過酷な環境下で使用し、英国放送協会(BBC)の発信する信号と、隊員の時計を比較し、その精度をモニタリングするというものだ。北極仕様の特別な潤滑油と防寒着の上から着用できるよう延長パーツを備えた特別仕様のオイスター プリンスは、極限の環境でも驚くべき精度を維持したという。

 今回、同社は1952年から1954年の間、チューダーの時計を携行し性能テストを実施した、英国海軍による北グリーンランド遠征探検の70周年を記念し、新しいレンジャーを送り出した。

レンジャー

ロゴなどにオリジナルとの細かな違いはあれど、多くのファンが待ち望んだ姿での復刻となったのではないだろうか。大型化したケースに合わせてインデックスや針も大型化されているが、バランスを損ねていない。

 同ブランドの歴史にレンジャーの名前が登場したのは、実はRef.7995の登場や北グリーンランド遠征探検よりもずっと前のことである。「The TUDOR(チューダー)」が商標登録された1926年からわずか3年後の1929年、創設者のハンス・ウィルスドルフによって、「Ranger(レンジャー)」が商標登録されており、当時は特定のモデルを指すものではなく、同ブランドが持つ冒険心を象徴するものであったのだ。

レンジャー

チューダー「レンジャー」
3種類のベルトが用意されている。ステンレススティール製ブレスレットには微調整機構が備わっており、ファブリックストラップは19世紀製の織機を用いて製造される高品質が魅力、レザーストラップはナチュラルラバーとのハイブリッドだ。自動巻き(Cal.MT5402)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径39mm)。100m防水。ステンレススティールブレスレット:34万7600円(税込み)。レザーストラップ:31万1300円(税込み)。ファブリックストラップ:31万1300円(税込み)。

 今回発表されたモデルは、39mm径ケースを採用し、取り回しやすさと視認性を両立させている。インデックスはベージュのスーパールミノバを塗布したものであり、ヴィンテージ感のある色合いから、ヘリテージピースへの敬意を読み取れる。

 ダイアルは、グレイン仕上げのマットブラック。光の反射を抑えることにより、優れた視認性が確保されている。ケース自体もサテン仕上げを基調としており、ツールウォッチらしく実用性を第一に考えられた仕様を持つ。

 2014年のヘリテージ レンジャーでは汎用ムーブメントを搭載していたが、今作はマニュファクチュールムーブメント、キャリバーMT5402を採用している。約70時間のパワーリザーブとシリコン製ヒゲゼンマイを備え、クラシックなデザインとは裏腹に現代的なスペックを与えられている。

レンジャー

1960年代の「レンジャー」を象徴するデザインを取り入れつつ、わずかに拡大されたケースや大幅なスペックアップが図られたムーブメント等、現代的な仕様を持つ。コントラストの高いダイアルや全体的に光沢を抑えたデザインは、まさにツールウォッチの佇まいだ。

 ベルトは、ステンレススティール製ブレスレット、レザーストラップ、ファブリックストラップが用意されている。ステンレススティール製ブレスレットには、工具不要で簡単に微調整が可能な“T-fit”クイックアジャストクラスプが採用されており、8mmの長さを5段階に亘って調整することができる。

 チューダーに脈々と受け継がれてきた冒険心と、北グリーンランド遠征探検での過酷なテスト、そして1960年代に生まれたアイコニックなデザインを結実させた、新作「レンジャー」は、同社の歴史に新たな1ページを刻むことだろう。


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