フィフティ ファゾムス 70周年を記念して作られた新ライン「フィフティ ファゾムス テック ゴンベッサ」

ブランパンは、現代のダイビングの技術要件を満たす新作モデルを発表し、世界初のモダンなダイバーズウォッチの歴史に新たな章を刻んだ。ブランパン社長兼CEO のマーク・A・ハイエックと、「ゴンベッサ」プロジェクトの創立者であるローラン・バレスタ氏が共同開発した「テック ゴンベッサ」は、潜水時間を3 時間まで測定することを初めて可能にした計器だ。この発表は、ブランパンのダイバーズウォッチコレクションの新たなラインの発表でもある。

フィフティ ファゾムスの誕生

　今から70 年前、ひとつのアイコンが誕生した。それが「フィフティ ファゾムス」である。世界初のモダンなダイバーズウォッチとなり、時計製造の世界に革命をもたらしたこの時計は、スキューバダイビングに情熱を注いでいた当時のブランパンCEO、ジャン= ジャック・フィスター がデザインした。
　当時は黎明期であったスキューバダイビングのパイオニアだったフィスターは、海中での経過時間を把握することが不可欠であることに気付き、自らのニーズを満たすために彼が作ったこの計器は、すぐにオーシャン コミュニティに受け入れられ、エリートダイバーや水中探検家たちの信頼できるパートナーとなったのだ。

生まれ変わるフィフティ ファゾムス

　フィフティ ファゾムス70 周年を記念する年である2023 年、革新的なアニバーサリーダイバーズウォッチの発表によってフィフティ ファゾムスが新たに生まれ変わる。1950 年代以降、ダイビングは大きな進化を遂げており、とりわけ潜水時間が際立って長くなった。水中で数時間を過ごすことができる現代のダイバーたちは、計時に関して新たな要求があった。
ダイバーであり水中写真家、海洋生物学者でもあるローラン・バレスタ氏とともに、ブランパンは新たな機械式計器のデザインに取り組んだ。苛酷なダイビングを行うすべてのダイバーのニーズを満たすことを目的とし、長時間の深海ダイビングで調査作業を行う「ゴンベッサ」プロジェクトのメンバーたちとともに開発がスタートした。

フィフティ ファゾムス テック ゴンベッサ

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　フィフティ ファゾムス コレクションに追加された最新モデル「テック ゴンベッサ」ウォッチが初公開された。このモデルは、潜水時間、または、飽和システムから出るまでの時間を最長3 時間まで測定できるようにデザインされている。5 年前に開発がスタートしたこの時計は、広範なテストが行われた。着想から1 年後の2019 年、ブランパンは、ムーブメントと逆回転防止ベゼルという2 つの重要な要素を皮切りに、プロジェクトを開始。従来のダイバーズウォッチと異なり「フィフティ ファゾムス テック ゴンベッサ」のベゼルは3 時間目盛りを搭載している。

3 時間目盛りを搭載したベゼル

　そのベゼルは、3 時間で1 周する特別な針と対応しており、針の素材と色（グリーンに発光するホワイトの発光塗料のコーティング）はベゼルのマーカーとマッチしている。マーク A. ハイエックとローラン・バレスタ氏が共同で開発したこの計器は、特許を申請中だ。深海に対応するように設計された「フィフティ ファゾムス テック ゴンベッサ」は、ベゼルのインレイに従来のサファイアではなくブラックセラミックを選択。インレイに急なカーブをつけ、ダイヤルに向かって傾斜させた。視覚的なゆがみがない球面のクリスタルによってダイヤル表示の視認性を最適化し、暗闇で最高の視認性を確保するため、ダイヤルには新しい仕上げであるアブソリュートブラックが施された。その組成は光の約97％を吸収することができる。

発光塗料を塗布したブロック形のアワーマーカー

　同様にアワーマーカーは発光塗料を塗布したブロック形で植字された。今回はブルーに発光するオレンジで、時刻とダイビング時間を区別するために時針と分針に採用されたカラーコードだ。ケースにはグレード23 チタンが選択された。ブランパンの最近のコレクションに採用されたグレード23 チタンは、グレード5 ELI（extra low interstitials）とも呼ばれ、最高純度のチタンである。
　グレード23 チタンは並外れた強度に加え、抗アレルギー性で、非常に軽量な点が特徴だ。この素材は、快適な着用感をもたらし、直径47mm にもかかわらず手首に重さをほとんど感じさせない。特にこの時計は、ブランパンで初めてラグがミドルケースの内側から中央に固定され、ブレスレットが取り付けられている。

ヘリウムエスケープバルブ

　30 気圧（約300m）防水のケースには、ヘリウムエスケープバルブが付いている。加圧室での飽和潜水の間、ヘリウムが時計の内部に侵入する。減圧の過程でヘリウムバルブを緩めると、ヘリウムの排出が促進される（この操作は時計の防水性に影響しない）。ヘリウムバルブの溝は、時刻を合わせたり巻き上げたりするリュウズと同一デザインだ。このリュウズで時、分、潜水時間の針を同時に設定できる。すべてのフィフティファゾムスのタイムピースと同様にねじ込み式で、新たな台形デザインのリュウズガードにより、ラグとビジュアルデザインが統一されている。

「ゴンベッサ」のロゴが刻印された18KWG ローター

　ミドルケースの下部は、他のフィフティ ファゾムス モデルの特徴である丸みを帯びた「バシーヌ」ではなく、面取り加工が施されている。ケースバックにねじ込むための溝も堅牢性を考慮して変更された。シーラカンスの生態を調査するプロジェクト「ゴンベッサ」のロゴが刻印されたアンスラサイトカラーのローターは、3 つの大きな開口部が際立つ革新的な形状で、開口部越しにムーブメントを眺めることができる。ブラックのラバーストラップは、ラグの後ろにねじで留められている。ストラップの内側には形状が長期間変形しないようにチタン製の補強部品が取り付けられており、テクニカルダイビングスーツの上から時計を着用するためのエクステンションが付属している。非常に幅広で人間工学に基づいたピンが付いたバックルは、時計を確実に固定し、エクステンションを簡単に留められるデザインだ。

　「フィフティ ファゾムス テック ゴンベッサ」は、防水性と耐衝撃性を備え、リサイクルできて構成も変更できる特別なPeli ™ プレゼンテーションボックスに収められる。このケースには、時計置き、ストラップエクステンション、トラベルポーチ、拡大鏡、ディバイダー（仕切り）および切削工具一式が収納されており、将来の使用に合わせて仕切りを変更することができる。

フィフティ ファゾムス テックは増殖する

　この発表は、フィフティ ファゾムスの70 周年を記念し、ブランパンとローラン・バレスタ氏の10 年間のコラボレーションを確かなものにします。シーラカンスの生態研究に専念する「ゴンベッサ」プロジェクトは、ブランパンが創設パートナーとして参加して2013年に発足した。また、フィフティ ファゾムス コレクションにこの計器が加わることは、新たなラインである「フィフティ ファゾムス テック」の始まりでもある。このラインには、テクニカルダイビングに捧げられたすべてのブランパンの時計が加わる予定だ。