グランドセイコーは、ブランド初の機械式クロノグラフムーブメント「テンタグラフ」ことCal.9SC5を搭載した「エボリューション9 コレクション テンタグラフ SLGC001」を発表した。傷がつきにくいブライトチタンをケース素材に採用したこのモデルは、6月9日発売予定となっている。
自動巻き(Cal.9SC5)。60石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約72時間。ブライトチタンケース(直径43.2mm、厚さ15.3mm)。10気圧防水。181万5000円(税込み)。2023年6月9日発売予定。
高精度とロングパワーリザーブを両立した自動巻きクロノグラフ
グランドセイコーは、2023年の新作として「エボリューション9 コレクション テンタグラフ SLGC001」を発表した。このモデルに搭載されるムーブメントは「テンタグラフ」ことキャリバー9SC5である。
キャリバー9SC5は、2020年に発表された高精度と優れたエネルギー効率を誇るハイビートキャリバー9SA5がベースとなっている。毎秒10振動の計時精度と、クロノグラフ作動時でも約3日間(約72時間)の駆動が可能なロングパワーリザーブとなっている。これは10振動の自動巻きクロノグラフムーブメントとしては最も長い持続時間である。
本作の発表を機に、メカニカルクロノグラフのための新たな精度規格が設定された。従来のグランドセイコーと同様に、6方向の姿勢、3段階の温度という条件下で17日間にわたる厳格な試験を受け、さらに3日間、クロノグラフを作動させた状態かつ3方向の姿勢で精度を評価する。テンタグラフは、グランドセイコー規格が定める基準をクリアするために合計20日間のテストを行う。
テンタグラフは伝達効率を飛躍的に高めた「デュアルインパルス脱進機」を搭載している。これはがんぎ車から直接テンプに力を伝える「直接衝撃」と従来の「間接衝撃」を組み合わせることで、動力ぜんまいの力をより効率よく、テンプに伝達できる独自の構造を実現した機構だ。
この革新的な機構とツインバレルの連動により、10振動でありながら、長時間のパワーリザーブを実現している。グランドセイコーらしい「正確な計測と操作性、耐久性」を確保したクロノグラフ機構が設計されている。
コラムホイールはクロノグラフの作動を正確に制御し、ムーブメントに組み込まれた独自の三叉ハンマーにより、リセット時には心地よいクリック感と共にクロノグラフ針をゼロ地点へ戻すことができる。
「エボリューション9スタイル」とは
審美性、視認性、装着性という3つの進化を軸として、光と影の間のグラデーションに美を見出す日本ならではの感性の基準をデザインに落とし込んでいる。
さらに、エボリューション9スタイルは、セイコースタイルが定めるルールを受け継ぎながら、3つのデザイン方針をもとに9つのデザイン要素を独自に定義したものである。特に装着性に関わる部分としては低重心をとられたケース部分や厚みをもたせたブレスレットなどが挙げられる。これらを守ることにより、腕に対するホールド性が高まり、重さや大きさを感じさせない装着性が実現される。
ケース部分はザラツ研磨による歪みのない鏡面と繊細な筋目で仕上げられ、明るく放たれる光と深い陰だけでなく、その中間で移ろうグラデーションを感じることができる。
https://www.webchronos.net/features/92829/
https://www.webchronos.net/features/91158/
https://www.webchronos.net/features/86922/