【2023年新作時計】グランドセイコー初の機械式クロノグラフ「エボリューション9 コレクション テンタグラフ」

2023.04.05

グランドセイコーは、ブランド初の機械式クロノグラフムーブメント「テンタグラフ」ことCal.9SC5を搭載した「エボリューション9 コレクション テンタグラフ SLGC001」を発表した。傷がつきにくいブライトチタンをケース素材に採用したこのモデルは、6月9日発売予定となっている。

エボリューション9 コレクション テンタグラフ SLGC001

グランドセイコー「エボリューション9 コレクション テンタグラフ」SLGC001
自動巻き(Cal.9SC5)。60石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約72時間。ブライトチタンケース(直径43.2mm、厚さ15.3mm)。10気圧防水。181万5000円(税込み)。2023年6月9日発売予定。


高精度とロングパワーリザーブを両立した自動巻きクロノグラフ

エボリューション9 コレクション テンタグラフ SLGC001

「テンタグラフ(TENTAGRAPH)」の名称は10振動、約3日間のパワーリザーブ、自動巻きクロノグラフという3つの機能に由来している。

 グランドセイコーは、2023年の新作として「エボリューション9 コレクション テンタグラフ SLGC001」を発表した。このモデルに搭載されるムーブメントは「テンタグラフ」ことキャリバー9SC5である。

 キャリバー9SC5は、2020年に発表された高精度と優れたエネルギー効率を誇るハイビートキャリバー9SA5がベースとなっている。毎秒10振動の計時精度と、クロノグラフ作動時でも約3日間(約72時間)の駆動が可能なロングパワーリザーブとなっている。これは10振動の自動巻きクロノグラフムーブメントとしては最も長い持続時間である。

エボリューション9 コレクション テンタグラフ SLGC001

「瞬時の藩毒性、直観的に分かる操作性、頼れる堅牢性」を追求して開発された。力強い針と溝が刻まれた太いインデックスにより、誤読のない優れた視認性を実現している。ダイアルが2枚重ねられ、メインダイアルとサブダイアルの領域を立体的に区分し判読性を高めている。

 本作の発表を機に、メカニカルクロノグラフのための新たな精度規格が設定された。従来のグランドセイコーと同様に、6方向の姿勢、3段階の温度という条件下で17日間にわたる厳格な試験を受け、さらに3日間、クロノグラフを作動させた状態かつ3方向の姿勢で精度を評価する。テンタグラフは、グランドセイコー規格が定める基準をクリアするために合計20日間のテストを行う。

 テンタグラフは伝達効率を飛躍的に高めた「デュアルインパルス脱進機」を搭載している。これはがんぎ車から直接テンプに力を伝える「直接衝撃」と従来の「間接衝撃」を組み合わせることで、動力ぜんまいの力をより効率よく、テンプに伝達できる独自の構造を実現した機構だ。

エボリューション9 コレクション テンタグラフ SLGC001

針の形はインデックスとの距離を 限界まで近づけるため、分針とクロノグラフ秒針の針先をダイアルの目盛の先端まで伸ばしている。さらに、熟練の職人によって手作業で曲げられた針の先端部は、時刻と計測時の高い判読性を実現している。グランドセイコーの考えるスポーツウォッチの理想がどういったスタイルなのか感じ取れるディテールだ。

 この革新的な機構とツインバレルの連動により、10振動でありながら、長時間のパワーリザーブを実現している。グランドセイコーらしい「正確な計測と操作性、耐久性」を確保したクロノグラフ機構が設計されている。

 コラムホイールはクロノグラフの作動を正確に制御し、ムーブメントに組み込まれた独自の三叉ハンマーにより、リセット時には心地よいクリック感と共にクロノグラフ針をゼロ地点へ戻すことができる。

エボリューション9 コレクション テンタグラフ SLGC001

見やすく太い針と立体的なインデックスにルミブライトを塗布し、昼夜を問わず時刻の視認性を確保している。ベゼルにはセラミックスを採用し、耐傷性も高い。


「エボリューション9スタイル」とは

エボリューション9 コレクション テンタグラフ SLGC001

グランドセイコーのデザインを規定する「セイコースタイル」。その“デザイン文法”を発展させ、腕時計としての美しさをさらに追及した独自のデザイン文法である「エボリューション9スタイル」が2020年に誕生した。これは、1960年の誕生以降、グランドセイコーがその美学と品格を深化させるべく編み出したものである。

 審美性、視認性、装着性という3つの進化を軸として、光と影の間のグラデーションに美を見出す日本ならではの感性の基準をデザインに落とし込んでいる。

 さらに、エボリューション9スタイルは、セイコースタイルが定めるルールを受け継ぎながら、3つのデザイン方針をもとに9つのデザイン要素を独自に定義したものである。特に装着性に関わる部分としては低重心をとられたケース部分や厚みをもたせたブレスレットなどが挙げられる。これらを守ることにより、腕に対するホールド性が高まり、重さや大きさを感じさせない装着性が実現される。

エボリューション9 コレクション テンタグラフ SLGC001

素材は重量がステンレススティールより約30%軽く、通常のチタンよりも色が明るく、さらに傷つきにくいブライトチタンを採用している。ケースとブレスレットを繋ぐかん幅を広くし、重心を低くしているので活動的な動作の中でも安定した装着性を実現している。また、リュウズガードはあらゆるシーンにおいて袖に収まるようにコンパクトにまとめられている。

 ケース部分はザラツ研磨による歪みのない鏡面と繊細な筋目で仕上げられ、明るく放たれる光と深い陰だけでなく、その中間で移ろうグラデーションを感じることができる。

エボリューション9 コレクション テンタグラフ SLGC001

グランドセイコーのメカニカルウォッチは「グランドセイコースタジオ 雫石」にて手作業で組み立てられ、調整されている。グランドセイコースタジオの窓から望む雄大な岩手山がグランドセイコーにとってのインスピレーションの源であり、象徴でもある。本作は岩手山の山肌からインスピレーションを得たダイアルの繊細なパターンと、透明感のあるブルーを組み合わせ、星々がきらめく夜の岩手山を表現している。



Contact info:セイコーウオッチ株式会社 お客様相談室 Tel.0120-061-012


2023年 グランドセイコーの新作時計まとめ

https://www.webchronos.net/features/92829/
グランドセイコー キャリバー9S、25年の境地

https://www.webchronos.net/features/91158/
グランドセイコー初の複雑時計「Kodo(鼓動)」がジュネーブ ウォッチ グランプリ(GPHG)のクロノメトリー賞を受賞した意義と価値とは?

https://www.webchronos.net/features/86922/