フランク ミュラーは、ダマスカス鋼をケース素材に採用した「ヴァンガード ダマス」と「ヴァンガード ダマス 7デイズ パワーリザーブ スケルトン」を発表した。木目のような模様がケースに浮かび上がる独創的なモデルだ。
ダマスカス鋼をケースに採用した新作2モデル
自動巻き。ダマスカス鋼(縦53.7mm、横44mm)。日常生活防水。242万円(税込予価)。発売時期未定。
ダマスカス鋼は波紋状の模様を特徴とする鋼であり、古代インドで作られていた「ウーツ鋼」の別称だ。シリアの首都ダマスカスで刀剣などに加工されていた歴史から、ダマスカス鋼と呼ばれるようになった。強靱さ、切れ味のよさに加えて錆びにくいという特徴があり、ダマスカス鋼の刀剣は中世ヨーロッパの王族や貴族の家宝とされるなど、身分のステータスとして扱われていたと言われている。
古代の技術は失われてしまっているが、現在のダマスカス鋼は2種類の異なる金属を組み合わせて製造されている。鍛造と曲げの工程を繰り返すことで数百層のブロックができあがり、ウーツ鋼に似た独特な模様が生まれる。
手巻き(cal.1740VS)。パワーリザーブ約7日間。ダマスカス鋼(縦53.7mm、横44mm)。日常生活防水。825万円(税込予価)。発売時期未定。
「ヴァンガード ダマス」と「ヴァンガード ダマス 7デイズ パワーリザーブ スケルトン」では、溶かした鋼材が微粉末状に噴霧され、保護環境下で固化。この粉末は球状の粒子で構成されており、非常に微細な構造をしている。高圧下で圧縮(熱間静水圧圧縮)し、圧縮された鋼は鍛造加工により、製造に必要な寸法に圧延され、素材をねじることで生み出されている。
最新技術を駆使して生まれた最高級の合金は、構造の均一性、介在物や不純物なし 、腐食に対する非常に高い耐性、衝撃や亀裂の伝播に対する非常に高い耐性といった特徴がある。
製造には304Lと316Lのふたつの合金から作られた、オーステナイト系ステンレスダマスカスを使用。オーステナイトは非磁性合金であるため、ムーブメントの機能が妨げられない。さらに、これらのふたつの鋼はクロム含有量17%のため、食品との接触に適していると言われている。
https://franckmuller-japan.com/
https://www.webchronos.net/features/40912/
https://www.webchronos.net/news/92398/
https://www.webchronos.net/features/80986/