フランク ミュラーが2021年に発表した「グランド セントラル トゥールビヨン」から、ドレッシーなバーインデックスモデルが登場した。インデックスと秒針を指し示すトゥールビヨンキャリッジにポリマーコンポジットがセッティングされ、華やかな色彩が目を引くコンプリケーションウォッチとなっている。
マイクロローター式自動巻きトゥールビヨンを搭載した「グランド セントラル フラッシュ トゥールビヨン」
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自動巻き。1万8000振動/時。パワーリザーブ約84時間。カーボンケース(縦53.1×横36mm)。日常生活防水。2530万円(税込予価)。発売時期未定。
フランク ミュラーの手がけるトゥールビヨンが、現在に至る快進撃を開始したのは、2006年のことだ。この年に本拠地の一貫生産体制がほぼ完成し、“複雑時計のマニュファクチュール”体制が確立した。充実した条件のもと、前年までの「トゥールビヨン・レボリューション」シリーズを引き継ぐ形で、「エテルニタス」の伝説的な五連作が発表される。
その後も「ギガ トゥールビヨン」「サンダーボルト トゥールビヨン」「トノウ カーベックス レディース トゥールビヨン」「ヴァンガード グラビティ」など、自社設計の話題作が次々と誕生した。世界が注目するそのトゥールビヨンの系譜に連なる最新のモデルが、「グランド セントラル トゥールビヨン」だ。
フランク ミュラーはこのモデルで初めて、トゥールビヨン機構を時計の中心に位置させた。一般的なラウンド型でない腕時計で、セントラル・トゥールビヨンを実現したのはこの時計が世界初である。またフランク ミュラーでは珍しい自動巻きを採用したが、マイクロローター式の自動巻きトゥールビヨンは極めて貴重な作品となっている。
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自動巻き。パワーリザーブ約84時間。18KPGケース(縦58.6mm×横40mm)。日常生活防水。2145万円(税込み)。※発売中。
直径17.7mmの堂々たるトゥールビヨンは、場所もサイズもこの時計の間違いない主役だ。時刻表示はその外周から先端を突き出す時・分針で示されるが、針を支える中心にあたるものは見えない。ミステリアスなこの表示機構は、針を支える円形の部品をセラミックボールベアリングで支持して回転させる、画期的な新機軸だ。
両方向巻き上げのマイクロローターを装備し、パワーリザーブはシングルバレルながら約3日半(約84時間)もの長さを誇る。18Kゴールド製のタイミングスクリューで調整するフリースプラング方式、ブレゲひげゼンマイは自社製造である。注目すべきは脱進機の部品製造が切削ではなく、素材を堆積させるエレクトロフォーミングで製造していること。従来に比べて10倍もの高精度で加工することが可能になった。
そして、ケースはフランク ミュラーが誇る「トノウ カーベックス」の進化形だ。サファイアクリスタルはフリンジの上をまたぎ、12時位置、6時位置のケースエンドまで延長されている。この大胆なモディファイにより文字盤のダイナミズムを高め、トノウ カーベックスの曲線はストラップとシームレスに接合する。造形上の美観は、そのまま人間工学的な装着感の向上にもつながっている。
https://franckmuller-japan.com/
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