シンプルトゥールビヨンの良作

篠田哲生(37歳) 嗜好品ライター

「語ることなしという意義」
今年のジュネーブ関連の時計フェアは、数カ月後に思い出せるモデルが多くない。一言で言うと“地味”ということになってしまうが、それは必ずしも悪いことではない。市場のニーズに応え、自社の歴史に応えた製品は、自ずと手堅くまとまる。それはもう何百年も続いている。時計文化の歴史のうねりからすれば当然なのではなかろうか。

1 ボーム&メルシエ/クリフトン
2 IWC/インヂュニア・オートマティック
3 カルティエ/ロトンド ドゥ カルティエ ミステリアス アワーズ
4 タグ・ホイヤー/カレラ 1887 クロノグラフ ジャック・ホイヤー記念モデル
5 ジャガー・ルクルト/グランド・レベルソ・ウルトラスリム・デュオ
6 オーデマ ピゲ/ジュール オーデマ エクストラ シン
7 A.ランゲ&ゾーネ/グランド・ランゲ1
8 ラルフ ローレン/スポーティング コレクション RL67 クロノメーターモデル 45mm
9 バックス&ストラウス/ルネサンス・コレクション リージェント
10 リシャール・ミル/RM59-01 トゥールビヨン ヨハン・ブレイク


シンプルトゥールビヨンの良作

広田雅将(38歳) 時計ジャーナリスト兼アートソルジャー、Web Chronosモデレーター

「女性用とコンプリケーション」
女性用とコンプリケーションが揃った今年のS.I.H.H.。このふたつに限って言えば、大変優れた時計が多かった。強いて挙げるなら、薄いにも係わらずリピーターに実用性を持たせたピアジェと、大変繊細な仕上がりを持つショーメのアトラップ-モワだろうか。

1 ピアジェ/ピアジェ エンペラドール・クッション オートマティック ミニッツリピーター
2 ショーメ/アトラップ-モワ
3 A.ランゲ&ゾーネ/1815 ラトラパント・パーペチュアルカレンダー
4 ボーム&メルシエ/クリフトン
5 ラルフ ローレン/スポーティング コレクション RL67 クロノメーターモデル 45mm
6 ヴァン クリーフ&アーペル/ピエール アーペル ゴールドブレスレット
7 カルティエ/ロトンド ドゥ カルティエ ミステリアス アワーズ
8 タグ・ホイヤー/カレラ カーボン マトリクス コンポジット コンセプト クロノグラフ
9 ジャガー・ルクルト/マスター・ウルトラスリム・ジュビリー
10 ラルフ ローレン/スティラップ コレクション スティラップ スティールリンク-スモールモデル


シンプルトゥールビヨンの良作

髙木教雄(50歳) ライター

「今年の新作は、華やかさを競う」
レディース、ジュエリー、コンプリケーション──今年のジュネーブでのトレンドは、例年以上に華やか。某老舗メゾンが、実質メンズの新作がゼロなんて思いもしなかった。いつもなら、買いたい、買えそうな、ってモデルを選ぶけれど、今年はレディースやコンプリケーションもセレクト。だって豊作だったんだもん。良い傾向です。

1 ジャガー・ルクルト/マスター・ウルトラスリム・ジュビリー
2 カルティエ/ロトンド ドゥ カルティエ ミステリアス アワーズ
3 ショーメ/アトラップ-モワ(コンプリケーションを指定)
4 ボヴェ/フルリエ ヴィルトゥオーソ 45 トゥールビヨン
5 フランク・ミュラー/ヴィンテージ・セブンデイズ・パワーリザーブ
6 ヴァン クリーフ&アーペル/ポエティック コンプリケーション レディ アーペル バレリーヌ アンシャンテ
7 ボーム&メルシエ/クリフトン
8 F.P.ジュルヌ/カンティエーム パーペチュアル
9 A.ランゲ&ゾーネ/1815 アップ/ダウン
10 ラルフ ローレン/スポーティング コレクション RL67 クロノメーターモデル 45mm


ランキングの集計ルール
●ルールに則して合計10モデルを選び、1位から10位までの順位をつける。
●それぞれが選んだ10モデルの、1位に20ポイント、2位に18ポイント、3位に16ポイント…‥9位に4ポイント、10位に2ポイントを与える(順位なしの場合は、個人の持ち点110点を10で割り、全てのモデルに11点ずつ加算する。順位ありとなしが混在する場合は、持ち点110点から順位分を引き、残りを割って分配)。その集計により、ランキングを決定する。
●同ポイントとなった場合、そのモデルを選んだ選考委員の数が多いほうを上位とする。
●それでも同位となった場合、最高点が高いほうを上位とする。
●さらに、それでも同位となった場合は、プライス設定の低いほうをバリュー的価値が高いものとして、上位とする。※パネライはディストリビューターの都合により順位には入りません。