シンプルトゥールビヨンの良作

篠田哲生(37歳) 嗜好品ライター

「老舗ブランドたちに許された唯一のセーフティゾーン」
ここ数年、新興勢力の攻勢を受けている老舗メーカーだが、この“復刻”というジャンルは戻るべき歴史を持っていなければ作ることができない。老舗が自分たちの優位性をアピールする正統な手法なので好んで作るのは当然だろう。もちろん買い手から見ても、すでに評価が定まっているモデルなので安心感がある。

1 パネライ/マーレ ノストゥルム 52mm
2 ジャガー・ルクルト/グランド・レベルソ・ウルトラスリム・トリビュート・トゥ・1931
3 ヴァシュロン・コンスタンタン/プレステージ 1972
4 パテック フィリップ/カラトラバ Ref.5123
5 カルティエ/ロトンド ドゥ カルティエ ミステリアス アワーズ
6 セイコー/グランドセイコー 44GS
7 ロンジン/アビゲーション オーバーサイズクラウン
8 ティソ/ヘリテージ 160周年記念モデル
9 ブライトリング/トランスオーシャン・クロノグラフ 38
10 オメガ/シーマスター ブルヘッド


シンプルトゥールビヨンの良作

広田雅将(39歳) 時計ジャーナリスト兼アートソルジャー、Web Chronosモデレーター

「復刻を越えた、現在の復刻モデルたち」
今や百花繚乱の復刻モデル。どれも魅力的だが、今回はあえて、現代のディテールでブラッシュアップしたモデルを多く選んでみた。ポイントは、復刻に留まらない可能性を秘めていること。例外は復刻版のロイヤル オークだが、これは別格中の別格である。

1 パテック フィリップ/カラトラバ Ref.5123
2 セイコー/グランドセイコー 44GS
3 グラスヒュッテ・オリジナル/セネタ・シックスティーズ
4 モーリス・ラクロア/ポントス S ダイバー
5 ジャガー・ルクルト/グランド・レベルソ・ウルトラスリム・トリビュート・トゥ・1931
6 パネライ/ルミノール 1950 3デイズ 47mm
7 オーデマ ピゲ/ロイヤル オーク オートマティック・エクストラ シン
8 ロンジン/アビゲーション GMT
9 オメガ/スピードマスター ムーンウォッチ “ダークサイド・オブ・ザ・ムーン”
10 ジラール・ペルゴ/ヴィンテージ 1945


シンプルトゥールビヨンの良作

髙木教雄(50歳) ライター

「良作揃いで、復刻ブーム大歓迎」
温故知新に原点回帰。復刻はここ数年来のブームだ。ほぼ完璧な再現があると同時に、現代的にアレンジしたモデルもある。前者はオリジナルが余程の傑作でなければ成立しないけれど、幸いなことにそれは何本か存在し、オールドファンには喜ばしい。後者の場合、単に当時のデザインを規範としているだけでは、面白みに欠けるし、魅力も少ない。しかしこれまた良作がある。復刻ブームは、意外と時計を良い方向に導いているのかもしれないと改めて実感。

1 オーデマ ピゲ/ロイヤル オーク オートマティック・エクストラ シン
2 ジャガー・ルクルト/グランド・レベルソ・ウルトラスリム・トリビュート・トゥ・1931
3 ゼニス/エル・プリメロ オリジナル 1969
4 パネライ/ルミノール 1950 3デイズ 47mm
5 ティソ/ヘリテージ 創業160記念モデル
6 セイコー/グランドセイコー「44GS」
7 ロンジン/アビゲーション オーバーサイズ クロノグラフ
8 ブライトリング/ナビタイマー・コスモノート
9 オメガ/スピードマスター プロフェッショナル ファースト オメガ イン スペース
10 ボーム&メルシエ/ケープランド・フライバック・クロノグラフ


ランキングの集計ルール
●ルールに則して合計10モデルを選び、1位から10位までの順位をつける。
●それぞれが選んだ10モデルの、1位に20ポイント、2位に18ポイント、3位に16ポイント…‥9位に4ポイント、10位に2ポイントを与える(順位なしの場合は、個人の持ち点110点を10で割り、全てのモデルに11点ずつ加算する。順位ありとなしが混在する場合は、持ち点110点から順位分を引き、残りを割って分配)。その集計により、ランキングを決定する。
●同ポイントとなった場合、そのモデルを選んだ選考委員の数が多いほうを上位とする。
●それでも同位となった場合、最高点が高いほうを上位とする。
●さらに、それでも同位となった場合は、プライス設定の低いほうをバリュー的価値が高いものとして、上位とする。※パネライはディストリビューターの都合により順位には入りません。