静閑なジュネーブの中で光る良作

篠田哲生(40歳) 嗜好品ライター

「現実と理想の間で時計ブランドは悩んでいる?」
中国市場の減衰で、スイス時計産業は黄信号。そういう理由もあってか、リアリティのある価格帯がしっかり出揃った。その一方で、数量限定でプレミアム感を高めた高額モデルも相変わらず好調。時計業界にも二極化の波が進んでいるようだ。

1 ヴァシュロン・コンスタンタン/オーヴァーシーズ
2 リシャール・ミル/RM67-01
3 カルティエ/ドライブ ドゥ カルティエ
4 A.ランゲ&ゾーネ/リヒャルト・ランゲ・ジャンピングセコンド
5 ジャガー・ルクルト/レベルソ・トリビュート・デュオ
6 IWC/パイロット・ウォッチ・オートマティック36
7 H.モーザー/スイス アルプ ウォッチ
8 A.ランゲ&ゾーネ/ランゲ1
9 オーデマ ピゲ/ロイヤル オーク コンセプト・スーパーソヌリ
10 モンブラン/モンブラン 4810 オルビステラルム

 

静閑なジュネーブの中で光る良作

広田雅将(42歳) 『クロノス日本版』編集部

「評価したいボヴェの新作」
1位のA.ランゲ&ゾーネは、質と価格のバランスを考慮した結果。4位のIWCも同様である。ただ個人的に強く推したいのは、2位のボヴェ。ただのワールドタイマー付きトゥールビヨンだが、今のボヴェにしか作り得ない傑作だ。内容は、今年のジュネーブで行われた発表会の中で随一だった。

1 A.ランゲ&ゾーネ/サクソニア・フラッハ37mm
2 ボヴェ/リサイタル18 “ザ・シューティング・スター”
3 オーデマ ピゲ/ロイヤル オーク コンセプト・スーパーソヌリ
4 IWC/パイロット・ウォッチ・マーク XVIII
5 モンブラン/モンブラン 1858 クロノグラフ タキメーター ブルー リミテッド エディション100
6 ピアジェ/ピアジェ エンペラドール・クッション 700P
7 パルミジャーニ・フルリエ/トンダ クロノール アニヴェルセール
8 ウブロ/ビッグ・バン ウニコ・サファイア
9 フランク・ミュラー/カサブランカ ルナ
10 カルティエ/ロトンド ドゥ カルティエ アストロミステリアス

 

今静閑なジュネーブの中で光る良作

髙木教雄(51歳) ライター

「機構に個性が光る10作」
今年のジュネーブは、ベーシックな新作が多かったとの印象だったけれど、強く記憶に残った10本をピックアップしてみると、コンプリケーションやトラベルウォッチで、シンプルなモデルは入ってこなかった。どれもメカニズムに個性が光る10作。時計の機構は、まだまだ進化させられるのだと、実感。

1 グルーベル フォルセイ/ダブルバランシエール ユニークエディション
2 オーデマ ピゲ/ロイヤル オーク・ダブル バランスホイール・オープンワーク
3 A.ランゲ&ゾーネ/リヒャルト・ランゲ・ジャンピングセコンド
4 ボヴェ/リサイタル 18“ザ・シューティング・スター”
5 カルティエ/ロトンド ドゥ カルティエ アストロミステリアス
6 ジャガー・ルクルト/レベルソ・トリビュート・デュオ
7 ヴァン クリーフ & アーペル/レディ アーペル ロンド デ パピヨン
8 IWC/パイロット・ウォッチ・タイムゾーナー・クロノグラフ
9 ピアジェ/ピアジェ エンペラドール・クッション 700P
10 パルミジャーニ・フルリエ/トンダ クロノール アニヴェルセール

 

ランキングの集計ルール
●ルールに則して合計10モデルを選び、1位から10位までの順位をつける。
●それぞれが選んだ10モデルの、1位に20ポイント、2位に18ポイント、3位に16ポイント…‥9位に4ポイント、10位に2ポイントを与える(順位なしの場合は、個人の持ち点110点を10で割り、全てのモデルに11点ずつ加算する。順位ありとなしが混在する場合は、持ち点110点から順位分を引き、残りを割って分配)。その集計により、ランキングを決定する。
●同ポイントとなった場合、そのモデルを選んだ選考委員の数が多いほうを上位とする。
●それでも同位となった場合、最高点が高いほうを上位とする。
●さらに、それでも同位となった場合は、プライス設定の低いほうをバリュー的価値が高いものとして、上位とする。