選考委員による選定モデルの詳細

菅原 茂(70歳) 時計ジャーナリスト
「愛好家にはたまらない」

マイナーな存在かもしれない手巻きシンプルウォッチ。だが、ムーブメント自体、あるいは搭載モデルのデザインには時計好きを魅了する凝ったものが少なくない。超高額品や入手困難モデルを除き、好みで10本選んだ。

  • パルミジャーニ・フルリエ/トリックプティ・セコンド
  • ジャガー・ルクルト/レベルソ・トリビュート
  • グランドセイコー/ヘリテージコレクション45GS復刻デザイン 限定モデル
  • モリッツ・グロスマン/37 アラビック ジャパンリミテッド
  • オリエントスター/M34 F8 スケルトン ハンドワインディング
  • オメガ/デ・ヴィル トレゾア パワーリザーブ
  • A.ランゲ&ゾーネ/1815 アップ/ダウン
  • ヴァシュロン・コンスタンタン/ヒストリーク・アメリカン 1921
  • ノモス グラスヒュッテ/タンジェント
  • ショパール/L.U.C クアトロ スピリット 25

篠田哲生(49) ウォッチディレクター
「手巻き式ムーブメントは味わいこそがすべて」

自動巻き式ムーブメントが進化するほどに、手巻き式ムーブメントの肩身は狭くなる。手巻き式ならではの弱点はたくさんあるが、それでも一定の人気を維持しているのは、やはりその味わいにつきる。自分の手で命を吹き込むといううれしさもあるし、綺麗に仕上げられた機械を見るのも楽しい。手巻き式を愛すること。それは時計と対峙する時間を愛するということなのだ。

  • グランドセイコー/ヘリテージコレクション45GS復刻デザイン 限定モデル
  • パルミジャーニ・フルリエ/トリックプティ・セコンド
  • A.ランゲ&ゾーネ/リヒャルト・ランゲ
  • パテック フィリップ/カラトラバ 6119
  • ブレゲ/トラディション 7057
  • オメガ/デ・ヴィル トレゾア
  • クレドール/ゴールドフェザー U.T.D. Ref.GBBY973
  • ジャガー・ルクルト/レベルソ・トリビュート・スモールセコンド
  • ヴァシュロン・コンスタンタン/トラディショナル・マニュアルワインディング
  • リシャール・ミル/RM 055 バッバ・ワトソン

安藤夏樹(49歳) 編集者
「手巻き3針の時代がやってきた!」

小径薄型がトレンドの今、シンプルな手巻き時計に注目が集まるのは必然だ。手巻き時計の良いところは、なんといっても小さなケースに具(ムーブメント)が詰まっているところにある。なのでスケルトンバックもひとつの選択肢だろう。毎日の巻き上げも、日々のやる気を高めるスイッチになるはず。

  • グランドセイコー/エボリューション9コレクション 手巻メカニカルハイビート36000 80 Hours Ref.SLGW003
  • ピアジェ/アルティプラノ アルティメートコンセプト
  • ブルガリ/オクト フィニッシモ スケルトンエイトデイズ
  • ショパール/L.U.C クアトロ スピリット 25
  • パテック フィリップ/カラトラバ 6119
  • オメガ/デ・ヴィル トレゾア スモールセコンド
  • A.ランゲ&ゾーネ/ランゲ1 Ref.191.062
  • パルミジャーニ・フルリエ/トリック プティ・セコンド
  • カルティエ/サントス デュモン
  • クレドール/ゴールドフェザー U.T.D. Ref.GBBY980

髙木教雄(62歳) ライター
「シンプルな手巻きはオーセンティックがいい」

手巻きのタイムオンリーは、個人的に好きなジャンル。機械式の基本なだけに、センター2番車のオーセンティックな設計で、金属製パーツだけであるのが好みだ。選んだ中にはパワーリザーブが短かったり、設計が古いと感じたりするキャリバーも少なくないが、手で巻き上げる愉しみが早く訪れると考えれば、決してマイナスではない。

  1. A.ランゲ&ゾーネ/1815
  2. F.P.ジュルヌ/クロノメーター・スヴラン
  3. HAJIME ASAOKA/TSUNAMI
  4. ローラン・フェリエ/クラシック オリジン
  5. アクリビア/RRCC I
  6. モリッツ・グロスマン/プリマヴェーラ
  7. ジャガー・ルクルト/レベルソ・トリビュート
  8. パルミジャーニ・フルリエ/トリック プティ・セコンド
  9. パテック フィリップ/カラトラバ 6119
  10. ヴァシュロン・コンスタンタン/パトリモニー・マニュアルワインディング

名畑政治(65歳) 時計ライター
「時代は変わっても手巻きは消えない」

基本的に手巻きが好きである。「いちいち手で巻くなんて面倒」と思う方もいるだろうが、何本も所有する時計マニア的には主ゼンマイを巻くぐらい苦にならないし、勝手に動かれると困ることもあるから手巻きが好きだ。例によって、すべて同列、順位なし。

  • ローラン・フェリエ/クラシック オリジン
  • ヴァシュロン・コンスタンタン/パトリモニー・マニュアルワインディング
  • グランドセイコー/ヘリテージコレクション45GS復刻デザイン 限定モデル Ref.SLGW005
  • パテック フィリップ/カラトラバ 6119
  • クレドール/ゴールドフェザー U.T.D.
  • ノモス グラスヒュッテ/タンジェント Ref.101
  • A.ランゲ&ゾーネ/サクソニア・フラッハ
  • NAOYA HIDA & Co./NH TYPE 1D-3
  • ジャガー・ルクルト/レベルソ・クラシック・スモールセコンド
  • オメガ/デ・ヴィル トレゾア スモールセコンド

広田雅将(50歳)『クロノス日本版』編集長兼アートソルジャー
「機械式時計とはすなわち手巻きである」

筆者は一貫して、シンプルな手巻き時計が好きだ。定期的に巻いておけば時計が止まることもないし、維持費も安いし、ムーブメントにも見応えのあるものが多いのだ。今や絶滅危惧種となったシンプルな手巻きモデル。しかし価格を問わず、楽しいものはまだまだある。

  1. グランドセイコー/エボリューション9コレクション 手巻メカニカルハイビート36000 80 Hours Ref.SLGW003
  2. カルティエ/サントス デュモン
  3. パネライ/ルミノール マリーナ Ref.PAM00422
  4. ヴァシュロン・コンスタンタン/ヒストリーク・アメリカン 1921
  5. NAOYA HIDA & Co./NH TYPE 1D
  6. ノモス グラスヒュッテ/タンジェント
  7. パテック フィリップ/カラトラバ 6119
  8. ハミルトン/カーキ フィールド メカ
  9. エベラール/トラベルセトロ
  10. タイメックス/マーリン OG


ランキングの集計ルール
●選考委員は、各号のテーマに沿った腕時計を10本選び、順位をつける。
●選考委員ひとりあたりの所持ポイントを110点とし、これを1位20点、2位18点…… 10位2点として選考モデルに振り分ける。
●選考された時計が順位無しの場合は、所持ポイントを10等分して、各モデルに11点を与える(選考本数が10本に満たない場合でも、1モデルあたり11点とする)。
●獲得点数が同点となった場合は、選考者数の多いモデル、その中で選考順位の高いモデルの順で優位とする。
●最低有効得票数を2票とする。


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