選考委員による選定モデルの詳細

菅原 茂(69歳) 時計ジャーナリスト
「全部に『大賞』をつけてみた!」

バリエーションも含め、概ね豊作だった2022年。そこで考えた。記憶に残る印象的な新作をカテゴライズしてそれぞれ「大賞」を授与してはどうかと。グランプリはやはりグランドセイコーの「Kodo」かな。

  1. グランドセイコー/Kodo コンスタントフォース・トゥールビヨン
  2. パルミジャーニ・フルリエ/トンダ PF スケルトン
  3. ブレゲ/マリーン オーラ・ムンディ 5557
  4. パテック フィリップ/年次カレンダー・トラベルタイム 5326
  5. ロレックス/オイスター パーペチュアル ディープシー チャレンジ
  6. カルティエ/マス ミステリユーズ
  7. ヴァシュロン・コンスタンタン/ヒストリーク・222
  8. ベル&ロス/BR-X5
  9. トム フォード/N.002 オーシャンプラスチック スポーツ
  10. スウォッチ/ムーンスウォッチ

篠田哲生(46) ウォッチディレクター
「記憶の網に引っかかった時計たちをセレクト」

最近の時計業界では、リリース時期に合わせて時計を発表するので、新作情報のアップデートが頻繁。ゆえに、あのモデルは去年? それとも今年? と、どうにも思い出に残りにくい。しかし逆に強く心に残っているモデルは、やはり価値があるのだろう。2022年の締めくくりとして、資料を見ずにして思い出せた時計をピックアップした。

  1. ヴァシュロン・コンスタンタン/ヒストリーク・222
  2. パルミジャーニ・フルリエ/トンダ PF GMT ラトラパンテ
  3. オメガ/シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ
  4. ウブロ/スクエア・バン ウニコ
  5. スウォッチ/ムーンスウォッチ
  6. タグ・ホイヤー/タグ・ホイヤー カレラ プラズマ
  7. ジラール・ペルゴ/キャスケット 2.0
  8. リシャール・ミル/RM UP-01 フェラーリ
  9. ロレックス/オイスター パーペチュアル ディープシー チャレンジ
  10. グランドセイコー/Kodo コンスタントフォース・トゥールビヨン

安藤夏樹(47歳) 編集者
「コラボ、スポーツ、文字盤」

コロナ禍が一旦の落ち着きを見せつつあった2022年は、リアルでのウォッチズ&ワンダーズも開催され、時計業界にとって再び明るさを取り戻した1年だった。そのワクワク感が、各モデルにも透けて見える。印象に残っているモデルの多くは「コラボ」「スポーツ」「文字盤」のキーワードのどれか(または複数)に当てはまる。機械の複雑さよりもスタイルや楽しさが重視された1年だったと言っていいかもしれない。

  1. スウォッチ/ムーンスウォッチ
  2. ヴァシュロン・コンスタンタン/ヒストリーク・222
  3. ゼニス/クロノマスター オープン
  4. グランドセイコー/Kodo コンスタントフォース・トゥールビヨン
  5. カルティエ/サントス デュモン
  6. オーデマ ピゲ/ロイヤル オーク オートマティック
  7. ブルガリ/オクト フィニッシモ 妹島和世 限定モデル
  8. シャネル/J12 ウォンテッド ドゥ シャネル
  9. ブレゲ/マリーン オーラ・ムンディ 5557
  10. ブライトリング/ナビタイマー B01 クロノグラフ 43

髙木教雄(60歳) ライター
「2022年は大豊作の年!」

世界初、世界新をうたうチャレンジングな新ムーブメントから、ベーシックな2針や3針まで、2022年は大豊作の年だったように思える。外装やデザインにおいても、上質かつ新鮮な表現がいくつも見受けられた。既に傑作と誉れ高きモデルも少なくはない。時計界の未来には、光明が差す。

  1. グランドセイコー/Kodo コンスタントフォース・トゥールビヨン
  2. オーデマ ピゲ/ロイヤル オーク “ジャンボ” エクストラ シン
  3. パルミジャーニ・フルリエ/トンダ PF GMT ラトラパンテ
  4. パテック フィリップ/1/10秒 シングルプッシュボタン・クロノグラフ 5470
  5. リシャール・ミル/RM UP-01 フェラーリ
  6. ロンジン/ウルトラ-クロン
  7. エルメス/アルソー ル タン ヴォヤジャー
  8. チューダー/ブラックベイ プロ
  9. オメガ/シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ
  10. カルティエ/タンク ルイ カルティエ

名畑政治(63歳) 時計ライター
「スイスには行けなかったけど2022年もまた大豊作」

新型コロナウイルスで世界が混乱しても魅力的な新作ウォッチが続々誕生し、我々を忙しくしてくれた2022年。そこから無理やり10本だけピックアップするのは大変だが、それだけ収穫が多かった年ということになる。でも今年はやっぱりスイスに行きたいね。例によって、すべて同列、順位なし。

  • パテック フィリップ/カラトラバ 5226
  • ノルケイン/ワイルド ワン
  • オメガ/シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ
  • ロンジン/ウルトラ-クロン
  • ポルシェ・デザイン/クロノグラフ1-1972 リミテッド・エディション
  • ブライトリング/ナビタイマー B02 クロノグラフ 41 コスモノート
  • オーデマ ピゲ/CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ スターホイール
  • チューダー/レンジャー
  • ザ・シチズン/メカニカルモデル キャリバー0200 限定モデル NC0206-18E
  • セイコー/キングセイコー

広田雅将(48歳)『クロノス日本版』編集長兼アートソルジャー
「外装が良くなった1年。しかしコンプリに傑作多し」

2022年は明らかに外装の年だった。目を引いたのは、カラフルな文字盤、そしてより完成度を高めたケースやブレスレットだった。ただし個人的には、複雑時計も見るべきモノが多かったように思う。筆頭に挙げるならば、グランドセイコー、カルティエ、そしてオーデマ ピゲか。ヴァシュロン・コンスタンタンのレディースは、地味だが傑作だ。

  1. グランドセイコー/Kodo コンスタントフォース・トゥールビヨン
  2. アクリヴィア/レジェップ・レジェピ クロノメトル コンテンポランⅡ
  3. カルティエ/マス ミステリユーズ
  4. オメガ/シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ
  5. オーデマ ピゲ/CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ トゥールビヨン オープンワーク
  6. パテック フィリップ/アクアノート・ルーチェ《レインボー》クロノグラフ 7968/300R
  7. A.ランゲ&ゾーネ/グランド・ランゲ1
  8. オリエントスター/コンテンポラリーコレクション スケルトン
  9. パルミジャーニ・フルリエ/トンダ PF オートマティック
  10. ヴァシュロン・コンスタンタン/パトリモニー・オートマティック


ランキングの集計ルール
●選考委員は、各号のテーマに沿った腕時計を10本選び、順位をつける。
●選考委員ひとりあたりの所持ポイントを110点とし、これを1位20点、2位18点…… 10位2点として選考モデルに振り分ける。
●選考された時計が順位無しの場合は、所持ポイントを10等分して、各モデルに11点を与える(選考本数が10本に満たない場合でも、1モデルあたり11点とする)。
●獲得点数が同点となった場合は、選考者数の多いモデル、その中で選考順位の高いモデルの順で優位とする。
●最低有効得票数を2票とする。



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