ショパール「アルパイン イーグル」の格別な佇まい

2024.12.18

ショパールを代表するスポーティークロノグラフ「アルパイン イーグル XL クロノ」。このモデルにはオートオルロジュリー(高級時計)と呼ぶにふさわしい優れた素材と卓越したアルチザンによる匠の技が込められている。では、その優れた素材や技とは一体、何に由来するものなのか? この素朴な疑問を解き明かしていこう。

アルパイン イーグル XL クロノ

アルパイン イーグル XL クロノ
このチタンモデルのデザインや仕上げには、コレクションの創設を指揮したショパールの共同社長カール-フリードリッヒ・ショイフレ氏のアルプスの豊かな自然に対する情熱と、そこに生息するイーグルへの敬意が表現されている。自動巻き(Cal.CHOPARD 03.05-C)。45石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。Tiケース(直径44mm、厚さ13.15mm)。100m防水。ショパールブティック限定。369万6000円(税込み)。
名畑政治:文 Text by Masaharu Nabata
Edited by Yousuke Ohashi(Chronos Japan)


職人仕上げのケースが決め手

 オートオルロジュリー(HAUTE HORLOGERIE)という言葉がある。訳すと「高級時計」。自ら「高級」と名乗る背景には何があるのか? それは素材が高級なことに加え、時計作りに卓越した職人の技が駆使されていることを誰もが認めるからにほかならない。その「匠の技」をフランス語で「サヴォアフェール(SAVOIR-FAIRE)」と呼ぶが、そこから生まれたショパールの新作が「アルパイン イーグル XL クロノ」である。

「アルパイン イーグル」の誕生は2019年。1980年にショパールが発表した初のステンレススティールコレクション「サンモリッツ」に現代的なエッセンスを加えて生み出された。その新作アルパイン イーグル XL クロノのムーブメントは、ショパールが2006年に開発した自動巻きクロノグラフムーブメント、Cal.LUC 03.03‐Lの仕様違いであるCal.CHOPARD 03.05‐Cだ。一体化した構造を持ち、コラムホイールや垂直クラッチを装備する高級クロノグラフの名にふさわしい名機である。

アルパイン イーグル XL クロノ

決して加工が容易ではないグレード5チタンのケースを、精緻に仕上げるのはショパールに在籍するアルチザンの匠の技だ。このような優れたアルチザンを多数、自社で抱えているのもショパールならではの強みである。

 この高品質なムーブメントに加え、アルパイン イーグル XL クロノには高級時計に不可欠なサヴォアフェールが存分に駆使されている。ケースはレーシング関係で多用されるチタン90%にアルミニウム6%、バナジウム4%を加えたグレード5チタン。実はチタンは地球上で無尽蔵に採取できるが、強度が高く切削や溶接が難しいため先端素材のひとつとされる。それに鏡面仕上げやヘアライン仕上げ、面取り加工など多彩な仕上げを施すには高い技能が必要だ。

アルパイン イーグル XL クロノ

シースルーバックを通して一体型クロノグラフムーブメント「Cal.CHOPARD 03.05-C」の精密な作動を堪能できる。また、この裏蓋にはアルパイン・イーグル・ファウンデーションのシンボルマークがプリントされている。

 文字盤にも注目。アルプスの岩肌を思わせるラフな模様が中心部に向かい渦を巻くように刻まれるが、モチーフはコレクションの由来であるイーグルの虹彩(瞳の周りの円盤状の膜)。その色は「ローヌブルー」と呼ばれ、ジュネーブを流れるローヌ川の澄んだ水の色に由来する。

 この最新作を選んだのが同コレクションのジャパンアンバサダーであるラグビー選手の稲垣啓太氏。「笑わない男」と呼ばれる稲垣選手の鋭い眼光とたくましい肉体がアルパイン イーグル XL クロノのストイックかつ精緻な佇まいと重なって見える。

稲垣啓太

2023年、アルパイン イーグルのジャパンアンバサダーに就任したラグビー選手の稲垣啓太氏。彼が着用する「アルパイン イーグル XL クロノ」チタンモデルの文字盤は「ローヌブルー」。この澄んだ色調に稲垣選手は「この時計が生まれた場所を思い出させる文字盤に僕は一目ぼれしました」と語っている。

 そして、ショパールでは19年のアルパイン イーグルのスタートと同時に設立されたアルパイン・イーグル・ファウンデーションに、売り上げの一部を寄付し、アルプスの生態系保全のために活用されると表明している。

 このアルパイン イーグル XL クロノには、小規模鉱山採掘者が採掘したゴールドおよび適格なリサイクル原料であることを確認した「RJC CoC認証ゴールド」による「エシカルゴールド」を採用したモデルもある。

 スイス伝統のサヴォアフェールとサステナビリティも考慮した最上級の素材から生まれたアルパイン イーグル XL クロノ。それはまさにオートオルロジュリー(高級時計)と呼ぶにふさわしい新たなる名作である。

アルパイン イーグル XL クロノ

ケースとブレスレットにエシカルゴールドを用いた「アルパイン イーグル XL クロノ」のフルゴールドモデル。長い歴史を持つウォッチメーカーであると同時に、ジュエラーとしての顔も持つショパールの時計作りの卓越した技術が、このモデルでも遺憾なく発揮されている。

アルパイン イーグル XL クロノ

アルパイン イーグル XL クロノ
華やかなエシカルゴールドモデルの文字盤には、落ち着いた印象の「ベルニナグレー」を採用。この色調はスイスとイタリアの国境に位置するベルニナ山群の岩々からインスピレーションを得たという。自動巻き( Cal.CHOPARD 03.05-C)。45石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。18KエシカルRGケース(直径44mm、厚さ13.15mm)。100m防水。1085万7000円(税込み)。



Contact info:ショパール ジャパン プレス Tel.03-5524-8922


ショパール「アルパイン イーグル」× 稲垣啓太 強靱さと、繊細さと

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ショパール 職人たちの顔が見えるウォッチメイキング

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2024年 ショパールの新作時計を一気読み!

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