時差を越えて旅に出よう!旅時計のススメ【ワールドタイム機構搭載ウォッチ/4本紹介】

2022.12.20

ワールドタイム機能は、文字盤上の都市名と回転する24時間表示のインダイアルを読むことで世界各地の都市の時間を瞬時に知ることができる。
最大で24都市表示が一般的だが、都市リングの面積を拡大することで37もの都市をカバーしながら15分・30分という時差に対応するものもある。

オメガ「シーマスター アクアテラ GMT ワールドタイマー」
目的地はホノルル、LA、あるいはリオ、それともアラスカ? 実に世界24都市の時刻が読み取れるワールドタイム機能を搭載するこちらは、2017年に限定モデルとして登場し、19年にレギュラーモデルとなった人気作。北極点から見た世界地図や経線をイメージしたグローブパターンを配したダイアルデザインが、優雅で壮大な海の世界を表現している。まさに世界を股に掛けた腕時計といえよう。
コート/11万5500円、イーヴォ。問トヨダトレーディング プレスルーム Tel.03-5350-5567。キャリーケース/20万1300円、リモワ。問リモワ クライアントサービス Tel.072-994-5522。その他/スタイリスト私物。
清水将之(人物/mili)、 鈴木泰之(静物):写真、 菊池陽之介:スタイリング、
竹井 温(&’s management):ヘア&メイク、
岩崎拓馬(STANFORD):モデル、 安部 毅:編集・文(スタイリングページ) 、
竹石祐三:編集・文(腕時計ページ)、 菅原茂:文
Photographs by Masayuki Shimizu(mili), Hiroyuki Suzuki, Styling by Yonosuke Kikuchi,
Hair & Make by Tazuru Take(i &’s management),
Modeled by Takuma Iwasak(i STANFORD), Edited & Text by Takeshi Abe,
Edited & Text by Yuzo Takeishi, Text by Shigeru Sugawara


ワールドタイム機構搭載ウォッチ

シーマスター アクアテラ GMT ワールドタイマー

オメガ「シーマスター アクアテラ GMT ワールドタイマー」
ダイアル中央部、グレード5チタン製のプレートにレーザー加工で描かれた、立体的な地球の姿が目を引く。その周囲に配置された24時間リングは、ライトブルー&ダークブルーで昼夜の別を表すなど、鮮やかな海の色を想起させるカラーで統一感を持たせている。自動巻き(Cal.8938)。38石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。SS(直径43mm、厚さ14.1mm)。15気圧防水。124万3000円。問オメガお客様センター Tel.03-5952-4400
パイロット・ウォッチ・タイムゾーナー・トップガン・セラタニウム

IWC「パイロット・ウォッチ・タイムゾーナー・トップガン・セラタニウム」
ベゼルを押し下げて回転させるだけで、異なるタイムゾーンを設定できるタイムゾーナー機能を搭載。ケース素材はIWCが開発したセラタニウムを採用し、チタンに匹敵する軽さと、セラミックスと同等の耐傷性を備える。自動巻き(Cal.82760)。22石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。セラタニウム(直径46mm、厚さ15mm)。6気圧防水。ブティック限定。236万5000円。問IWC Tel.0120-05-1868
クラシック ワールドタイマー マニュファクチュール

フレデリック・コンスタント「クラシック ワールドタイマー マニュファクチュール」
自社開発ムーブメント搭載ワールドタイマーの誕生10周年を記念した限定モデル。大陸を淡いグレーで表現したほか、都市名を記したインナーベゼルもホワイトに変更し、世界地図の存在感を強めたデザインに。自動巻き(Cal.FC-718)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SS(直径42mm、厚さ12.1mm)。5気圧防水。世界限定1888本。53万3500円。問フレデリック・コンスタント相談室 Tel.0570-03-1988
ポラリス・クロノグラフ・ワールドタイム

ジャガー・ルクルト「ポラリス・クロノグラフ・ワールドタイム」
1968年のチャイム機能搭載ダイビングウォッチを起源とする「ポラリス」。そのワールドタイムモデルは、ふたつのインダイアルをバランス良くレイアウトして判読性を確保しながら、ブルーのダイアルカラーで軽快さも演出している。自動巻き(Cal.752A)。37石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約65時間。Ti(直径44mm、厚さ12.5mm)。10気圧防水。203万2800円。問ジャガー・ルクルト Tel.0120-79-1833

ワールドタイムウォッチの基礎知識

24を超える世界主要都市の時刻がひと目で分かる実用的なシステムGMTウォッチは、ロレックスの初代「GMTマスター」によって1950年代半ばに実用化されたが、「ワールドタイム」はそこからさかのぼること20年前の1930年代に登場。24に分割されたタイムゾーンから任意の時刻を瞬時に確認できるようにしたルイ・コティエ方式がワールドタイム機構の礎となっており、その内容は、オメガ「シーマスター アクアテラ コーアクシャル マスター クロノメーター GMT ワールドタイマー」のように、12時間で1周する通常時針に加えて、24時間リングと24の都市名が表記されたリングを備え、リュウズ操作のみで各地の時刻を手軽に切り替えて表示できるようにしたものだ。ダイアルはいくぶん煩雑にはなるものの、GMTウォッチと比較して優れているのは、主要都市名が時差の順序で記されているため、ユーザーが渡航先で時刻修正を行うときでも、ホームタイムとの時差を調べて計算する必要がない── いわば、直感的に扱える点だろう。