ダイヤルの色というと、ホワイト、グレー、ブラック、シルバー、といったモノトーンが主流。ネイビーも昔からよく使われている定番色だ。近年人気のブルーも、もはや定番といってよいのかもしれない。それに次ぐのが、ブラウン。そしてグリーンだろうか。グリーンダイヤルはここ数年増えているが、今年は例年以上に数多い。つまり、よりいっそう人気が高まっている、ということなのだろう。グリーンの魅力は、明るさや、色味、艶などで、表情が大きく変わることだ。ブルーやブラウンもそうだが、グリーンはポップな印象から枯れた感じまで本当に幅広く違った表情になる。
ここで選んだ5本も、それぞれ違ったグリーンで、違った表情になっている。そこも含めて、どれがよいか。じっくりご覧いただきたい。
グラスヒュッテ・オリジナル「パノマティックルナ」
直径40mm
自動巻き(Cal.90-02)
47石
2万8800振動/時
5気圧防水
SS
108万円(税別)
「パノマティックルナ」はアシンメトリーなレイアウトが特徴のグラスヒュッテ・オリジナルを象徴するモデルのひとつ。ダイヤル左側に時分表示とスモールセコンド、2時位置にムーンフェイズ、4時位置にパノラマデイト(大型日付表示)を備える。この新作は工房の周囲に立つ樅の木からインスピレーションを得たという鮮やかなグリーンのダイヤルが特徴。自社の文字盤マニュファクトリーの職人の手作業による深みあるグラデーション仕上げが素晴らしい。
グランドセイコー「グランドセイコー 60周年記念限定モデル (SBGW264)」
直径39mm
手巻き(Cal.9S64)
24石
2万8800振動/時
3気圧防水
PG
世界限定120本
250万円(税別)
日本が世界に誇るグランドセイコーが今年生誕60周年。それを記念した特別作のひとつで、雫石高級時計工房から臨む白樺の森が持つ力強さを、精緻な立体模様を施したグリーンのダイヤルで表現したのが特徴。美しいダイヤルのパターンは原版を忠実に再現する機械彫りの技法によるもの。その精巧な模様が、夏の日差しを受けて煌めく白樺の白い幹と緑の葉との、美しい情景を思わせる。グランドセイコーブティックとグランドセイコーサロンのみでの取扱いとなる。
IWC「ポルトギーゼ・クロノグラフ」
直径41mm
自動巻き(Cal.69355)
27石
2万8800振動/時
3気圧防水
SS
79万5000円(税別)
IWCは例年ひとつのコレクションをリニューアルするのが基本。今年は「ポルトギーゼ」が一新された。新作「ポルトギーゼ・クロノグラフ」は、2018年の創業150周年記念限定モデルに採用した新型自社開発ムーブメントを、全レギュラーモデルに搭載したのが大きな特徴。ケースバックがシースルーになり、その新型キャリバーを眺め楽しむこともできるようになった。そしてこのグリーンダイヤルが加わったのも新しい魅力。シャイニーなサンレイ仕上げも美しい。
モンブラン「ヘリテイジ オートマティック」
直径40mm
自動巻き(Cal.MB24.27)
25石
2万8800振動/時
5気圧防水
YG
94万6000円(税別)
「ヘリテイジ」は傘下の老舗マニュファクチュールのミネルバが1940~50年代に製作したタイムピースを規範としたコレクション。ツートン仕上げのボンベダイヤルに、アラビア数字とドットのアプライドインデックス、ドーム型風防といったクラシックなスタイルを特徴とする。この新作はブリティッシュレーシンググリーンのダイヤルが特徴で、イエローゴールドケースとの色合わせが絶妙の洒脱さ。ダイヤルカラーに合わせたスフマート アリゲーターストトラップも魅力的だ。
ラドー「ゴールデン ホース オートマティック 1957 リミテッドエディション」
直径37mm
自動巻き(Cal.ETA C07.611)
25石
2万1600振動/時
5気圧防水
SS
世界限定1957本
19万円(税別)
今年のラドーは全コレクションでグリーンダイヤルを採用。これは1957年に初めてラドーの名前で時計を発表したときのファーストコレクションのひとつ「ゴールデン ホース」を完全復刻したモデル。37mmの小振りなケースや、ボンベダイヤル、赤のデイト表示、12時位置の動く錨(アンカー)など、オリジナルを忠実に再現。その一方、80時間ロングパワーリザーブの新型ムーブメントを搭載するのも見どころ。誕生年にちなんだ1957本の世界限定となっている。