ブランドイメージを変える時「第1回 モンブランの場合」

2017.05.08

「モンブラン サミット」。モンブラン初のスマートウォッチ。ケースはSS、ブラックPVD加工のSS、SSバイカラー、チタンの4種類。ストラップはブラックカーフ、スフマート、アリゲーターのレザー3種に、ラバー製のNATOストラップ34種(ブラック、ネイビー、カーキグリーン、レッド)が揃う。予価9万8000円〜11万2000円(税別)。5月発売。

 そして、最新の成果は「モンブラン サミット」。モンブラン史上初、そして所属するリシュモン グループ内でも初となる期待のスマートウォッチである。

 OSはGoogleのAndroid Wear™2.0を採用。音声コマンドが可能なマイクはもちろんのこと、心拍数モニター、歩数とアクティビティを測定するセンサー、ジャイロスコープ、気圧計など多彩なセンサーを搭載。Wi-FiやBluetoothを通じて接続し、スマートフォンなしで音楽の同期や再生が可能な4GBフラッシュストレージも備えるのは嬉しい。もちろん、Google Playストアにアクセスすれば、1000種類以上のアプリにアクセスが可能だ。

 さらに素晴らしいのはその外観だ。クロノグラフ、デイト、スモールセコンドと3種類を選ぶことができる文字盤は、クラシックテイストが強い「モンブラン 1858」のデザインを取り入れたもの。スマートウォッチとして初めて採用されたカーブド・サファイアガラスと相まって、デジタルデバイスにヴィンテージのテイストを加えることに成功している。二律背反のようなエッセンスの共存は、モンブランが謳う「イノベーションとトラディショナルの融合」そのものではないか。戦略的な価格設定も心憎い。

「e-ストラップ、オーグメントペーパー、モンブラン サミットという開発の流れは、我々にとって極めて自然でロジカルな発展の仕方です。モンブランはラグジュアリーですが、フォロワーブランドではないので、日々進化するデジタルツールに対応する必要があります。コネクテッドは、今の若い世代を中心とする顧客層にとって重要な要素です。より強い衝撃や感動を与える可能性は、デジタルツールがもはや不可欠なのです」

 最後に日本市場の今後について聞いた。

「日本市場は伝統的に筆記具のシェアが他の国よりも高いのが特徴です。最近ではレザーグッズがとてもアトラクティブですね。時計は盤石。カフリンクスなどの、いわゆるメンズジュエリーも売れています。バランスとしては、時計の売り上げ比率が25%くらいになるのが望ましいですね」

 日々めまぐるしく変わる市場のニーズを適切に見据え、それに対応した〝感動を呼ぶ〟プロダクトを生み出すためには、ダイナミックな変化をいとわないモンブランの柔軟な経営戦略の一端を垣間見たようなインタビューであった


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