「リンク レディ」
タグ・ホイヤー「リンク」の復活の裏には、セレブリティたちからの後押しもあった。タグ・ホイヤーは2014年よりCEOを務めたジャン-クロード・ビーバーのもと、さらなる認知度を獲得していくこととなる。彼はタグ・ホイヤーのさまざまなモデルを活用した、より若い顧客層へのマーケティングも強化した。
例えばセレブリティとのパートナーシップの強化が挙げられる。この取り組みによって「リンク レディ」はさまざまなバリエーションを展開しながら人気モデルの地位を確立した。新しく仲間入りした「リンク レディ」は、ブラックのマザー・オブ・パール文字盤に、ローズゴールドのインデックス、48個のダイヤモンドがセットされたベゼルを備えている。
「リンク キャリバー5」
2017年には、タグ・ホイヤーはリンク誕生30周年を祝い(S/elの発表である1987年を起点とする)、メンズモデルの新作発表も行った。メンズの「リンク キャリバー5」のブレスレットは「リンク レディ」で採用されたデザインを踏襲し、S字型を2列に並べ、丸みを帯びたフォルムである。ステンレススティールのブレスレットは、サテン仕上げとポリッシュ仕上げの組み合わせとなっており、なめらかにケースと一体化している。ケース径は41mmで、反射防止加工を施したサファイアクリスタル製風防を備えている。ムーブメントは、文字盤とモデル名でも言及しているように自動巻きキャリバー5(ETA2834-2またはセリタSW240)が搭載されており、3針とデイト表示を持つ。このムーブメントはサファイアクリスタル製のシースルーバックから眺めることができる。文字盤のカラーにはシルバープレート、ブラック、そしてサンレイ仕上げのブルーの3種類がある。バトン型のスティール製アワーマーカーと針を備え、いずれもスーパールミノバが塗布されている。12時位置にはタグ・ホイヤーのロゴがアプライドされ、3時位置にはデイト表示が配されている。
「リンク キャリバー17 クロノグラフ」
タグ・ホイヤーは、前身のホイヤー社の初期からクロノグラフ製造のエキスパートとして知られていた。現在の機械式クロノグラフ機構にも採用される振動ピニオンは同社の開発である。ジャック・ホイヤーの曽祖父でもあるエドワード・ホイヤーによって1860年に創立されている。リンクのリバイバルにおける次のステップは、すでに決まったようなものであったろう。2018年のバーゼルワールドでは、リンクの新しいコレクションとして、クロノグラフの「キャリバー17」が発表されたのである。これら新作クロノグラフはメンズモデルの「キャリバー5」と同じケースデザイン、ケース径(41mm)を踏襲し、文字盤にはブラックとサンレイ加工を施したブルーの2色が用意されている。古典的な横3つ目のサブダイアルの配置が採用され、3時位置にスモールセコンド、9時位置に60分積算計、6時位置に12時間積算計となっている。サブダイアルには繊細なスネイルモチーフが施され、光を反射しメインダイアルとのコントラストを成している。針とインデックスはロジウムプレート仕上げで、スーパールミノバが塗布されている。4時30分位置にあるのはデイト表示だ。
まさにクォーツショックの激動の時代から、機械式時計の複雑機構のリバイバル、スマートウォッチが誕生した現代までをつないだ「リンク」。今後もリンクコレクションの展開から目が離せない。