10気圧防水の表す意味とは。防水性能や時計の種類について解説

ビジネスに使える10気圧防水腕時計

　最後に、ビジネスシーンをはじめ日常的に活躍できるポテンシャルを持った10気圧防水腕時計を紹介しよう。

セイコー アストロン「ネクスター」

　人気腕時計メーカーであるセイコーから紹介するのは、セイコー アストロン「ネクスター」Ref.SBXC109だ。「ネクスター（Nexter）」は2022年に加わったコレクションで、「次世代のリーダー達の活躍を後押しするデザイン」をコンセプトとしていることが特徴だ。

　コンセプト通り、エッジの際立ったケースとブレスレットはシームレスにつながっており、スポーティーとエレガンスが共存した意匠を備えている。また、ベゼルはサファイアクリスタル製で、高級感ある見た目にひと役買っているのみならず、傷つきづらく変色にも強いという特性も持ち合わせる。なお、ケース、ブレスレットはチタン製。ケース直径42.7mm、厚さ12.2mmと、決して小ぶりな時計ではないが、軽量なチタンを用いることで、優れた装着感を備えている。

　ネクスターにはGPS衛星電波時計と標準電波時計を備えたモデルがラインナップされているが、写真のモデルはGPS衛星電波を受信する5Xシリーズ。GPS機能によって、地球上のどこにいても位置情報の取得が可能で、現在時刻を正確に表示してくれる。ソーラーバッテリーが内蔵されているため、日常的に使い続けることで、電池切れが起こる心配もない。

　10気圧防水のため、日常生活はもちろん、ビジネスシーンからアウトドアまで活用できるユーティリティに優れた腕時計だ。

シチズン「ザ シチズン」Ref.NC1000-51E

　　エコ・ドライブ光発電に代表されるように、これまでクォーツ式腕時計をラインナップの中心に据えていたシチズンだが、近年は機械式時計のモデルも充実させている。フラッグシップラインにあたるザ・シチズンからリリースされているRef.NC1000-51Eは、そんな機械式モデルのひとつだ。

　2021年、新型機械式ムーブメントとして登場したCal.0200をベースに、カレンダー機能を付加したCal.0201を搭載したモデルであり、10気圧防水はもちろん、約60時間のパワーリザーブや衝撃に強いフリースプラングテンプを備えるなど、実用性に優れている。

　また、シチズンが得意とする電気鋳造文字盤は繊細なパターンが与えられており、アイコニックな顔立ちだ。

　ヘアライン仕上げを基調に、ポリッシュ仕上げをコンビネーションさせたシャープでエレガントなケース、ブレスレットと相まって、ジャケットの袖口から存在感を放ってくれる10気圧防水の腕時計である。

ハミルトン「ジャズマスター パフォーマー オートクロノ 42mm」Ref.H36656140

　音楽のジャズにオマージュを捧げる、というコンセプトの下、ハミルトンが展開する「ジャズマスター」。文字盤の一部を肉抜きし、内部構造をのぞかせた「オープンハート」や薄くエレガントなスタイルを有する「シンライン」など、非常にさまざまなバリエーションが用意されていることも特徴だ。

　掲載モデルは、自動巻きクロノグラフムーブメントCal.H31を備えた「ジャズマスター パフォーマー オークロノ」に、2024年に加わった最新作だ。ペールブルー文字盤が爽やかで、10気圧防水を備えていることからも、暑い時期のバカンスなどの相性は抜群だろう。

防水性能について正しく理解しよう

　時計は本来水に弱いもの。防水性能があるからといって過信せず、正しい情報と使い方を知ろう。防水性能の種類や規格によって用途がかなり違ってくるので、注意が必要だ。

　自身の時計の防水性能についての理解を深めて適切に扱うことが、時計を長持ちさせるポイントだ。定期的なオーバーホールや電池交換についても、しっかりとした業者に依頼して行ってもらいたい。