Chronos 1月号(vol.86) 12月3日発売
■第一特集 資産価値としての時計を考える
世界有数のオークションハウスにおいて、時計が歴史的かつ天文学的な高値で落札されるたび、注目が集まる時計の資産価値。近年、一見“普通の時計”にまで大きな価値が生じるようになった。たとえ一部の時計とはいえ、今や投資対象としても見られるようになった時計。その資産価値について、市場を煽るのではなく、冷静に分析し、現在までの変遷とその未来を、オークショニアや経済アナリスト、グローバルな視点を持つジャーナリストたちの見識とともに検証する。
■第二特集 アイコニックピースの肖像55 クレドール マイクロアーティスト工房編
2001年のバーゼル・フェアで発表された「フリーク」ほど、今の機械式時計に影響を与えたモデルはないだろう。マニュファクチュール化を目指していたロルフ・シュニーダーはブレゲ賞を得たセントラルカルーセルの量産化を企図。その中で出会ったシリシウムの技術は、以降、時計産業の在り方を大きく変えることとなる。
■第三特集 世代交替が進む最新ムーブメント事情 基幹ムーブメント3.0
基幹ムーブメントの世代交代が、ここ1~2年で一気に加速しつつある。世代交代を経て誕生した“第3世代のニュームーブメント”を網羅しながら、その傾向を分析してみたい。
■腕時計パラノイア列伝 第34回 「ジン・テクノロジーの仕掛け人、ローター・シュミット」
ジンは過酷な環境下で任務を遂行するプロ中のプロ向けに極限状況でも使用できる特殊時計を開発することで、時計好きたちの心を掴んできた。その根幹を成す独自のテクノロジーを追求してきた仕掛け人こそが、現社長のローター・シュミットだ。いかにして彼は機械工学によって時計を進化させてきたのか?
■別冊付録 モリッツ・グロスマン ハンドメイドウォッチを生み出すマイスターたちの手仕事
ドイツ高級時計産業の聖地と呼ばれるザクセン州グラスヒュッテ。東西ドイツの再統合による復興から四半世紀を経て、産業規模の拡大とともに、この地にも大規模工業化の波は押し寄せている。2008年に創業したモリッツ・グロスマンは、失われつつあった“グラスヒュッテの手仕事”に再び光を当て、ファーストモデルの完成から約10年を経てなお、その姿勢を貫き通している。ハンドメイドウォッチを生み出すマイスターたちの手仕事と、その横顔に迫ってみたい。