近年の取り組み
高い名声を獲得してからも、グランドセイコーは飽くなきチャレンジを続けている。近年の主な開発や変化を紹介する。
高精度・高機能のメカニカルハイビート36000
グランドセイコー誕生60周年の節目となった2020年には、3万6000振動/時のハイビートムーブメントでありながら、パワーリザーブを約80時間にまで伸長させたキャリバー9SA5を発表。2021年にはこれを搭載したレギュラーモデルで、ダイアルの意匠も美しい「SLGH005」が発売された。自動巻き(Cal.9SA5)。47石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約80時間。SS(直径40mm)。日常生活用強化防水(10気圧)。104万5000円(税込み)。
2009年には、毎時3万6000振動のハイビート設計ムーブメントを搭載した「メカニカルハイビート36000」が発表されている。
過去にも同じ振動数を誇る名作が、グランドセイコーには存在した。しかし、2020年に発表されたキャリバー「9SA5」は、さらなる精度を求めて最先端の技術を採用している。
また「MEMS(Micro Electro Mechanical System)」と呼ばれる技術によって加工精度を高め、各パーツの耐久性向上と軽量化を実現。安定した高精度を得られるようになった。
ケースバックからのぞくキャリバー9SA5は、デュアルインパルス脱進機と名付けられた新型脱進機を搭載している。
ブラックセラミックスの初採用
2016年の限定モデルに続き、2017年に発表されたのが、ケース素材にブラックセラミックスとブライトチタンを採用した「SBGC223」。ふたつの素材を組み合わせることで強度と軽さを兼ね備えるのみならず、新鮮なルックスをも提示した。自動巻きスプリングドライブ(Cal.9R86)。50石。パワーリザーブ約72時間。セラミックス×ブライトチタン(直径46.4mm)。日常生活用強化防水(10気圧)。170万5000円(税込み)。
2016年、グランドセイコーはケースにブラックセラミックスを採用したモデルを追加した。
1967年に発表された「44GS」のセイコースタイルはそのまま継承しながら、新しい方向性を示唆するコレクションとして話題となった。
ある意味、画期的な変化ともいえるブラックセラミックスの採用は、国産最高峰ブランドのデザインを、新たな領域へと導いたのである。
歴史を知るとより趣深くなる
世界屈指の国産ブランドであるグランドセイコーは、初代モデルの誕生から多くの革新的な開発を経て、現在の地位を築き上げている。
それぞれの時代に発表されたモデルの特徴や、前作からの改良点などを理解すれば、さらにブランドへの興味が強まることだろう。
川部憲 Text by Ken Kawabe
グランドセイコーとセイコーの違い。使い分けに込められた戦略的意味
https://www.webchronos.net/features/51609/
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https://www.webchronos.net/features/45463/
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https://www.webchronos.net/features/52691/
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