懐中時計がベースのモデル
ブレゲが展開するモデルには、18世紀当時の懐中時計をモチーフにした時計も存在する。代表的なモデルを確認しよう。
初期の懐中時計を思わせる「トラディション 7097」
懐中時計「No.3424」に着想を得て、ブリッジを左右対象に配置した1本。地板やブリッジの表面にはグルネイユ(サンブラスト)が均一に施されている。ブレゲが発明した、天真を衝撃から保護するパラシュート(衝撃吸収装置)も搭載される。自動巻き(Cal.505SR1)。38石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。18KWG(直径40mm)。3気圧防水。399万3000円(税込み)。
懐中時計をベースに作られたモデルが並ぶコレクション「トラディション」において、初期のスースクリプションウォッチに着想を得たのが「トラディション 7097」である。
スースクリプションは「予約」を意味し、購入者は予約の際に価格の4分の1を収め、納品の際に残金を支払っていたという。
サファイアクリスタル製ケースバックからは、初の自動巻き時計「ペルペチュエル」の分銅をモチーフにデザインされたローターを鑑賞することができる。ブレゲひげゼンマイ、ブレゲ針、シリコン素材のガンギ車とアンクル、パラシュートなど、ブレゲの技術が詰め込まれたモデルだ。
18Kゴールドで贅を凝らした「トラディション 7057」
18KRGケースに、地板やブリッジまでゴールドカラーの合金を用いた1本。グルネイユは裏側のムーブメントにも施され、トランスパレントバックからのぞくことができる。手巻き(Cal.507 DR1)。34石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。18KRG(直径40mm)。3気圧防水。328万9000円(税込み)。
18Kゴールドをケースや文字盤の素材に採用し、トラディションの中でも豪華さを極めたモデルが「トラディション 7057」である。
パラシュートや可変慣性テンプ、ブレゲひげゼンマイなど、初代ブレゲが発明した機構を搭載している。美しい機械の動作は、表裏両面からの鑑賞が可能だ。
ケースサイドのコインエッジ装飾や、繊細で優雅なブレゲ針など、ブランドを特徴付ける意匠も楽しむことができる。
「No.5」のデザインを引き継ぐ「クラシック 7137」
自動巻き懐中時計「No.5」に着想を得た薄型ドレスウォッチ。ダイアルのレイアウトやギヨシェ装飾で、オリジナルを踏襲している。薄型ムーブメントにはシリコン製ヒゲゼンマイと脱進機を採用し、耐磁性を高めた。自動巻き(Cal.502.3)。37石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約45時間。18KWG(直径39mm)。3気圧防水。476万3000円(税込み)。
ブレゲの伝統的なスタイルが特徴的な「クラシック」コレクションでは、懐中時計の傑作と評される「No.5」をモチーフにデザインされた「クラシック 7137」が作られている。
2時位置には、月の満ち欠けを月齢で表現するムーンフェイズ表示が搭載され、日付やパワーリザーブもインダイアルで分かる仕様にデザインされている。
彫金が施されたムーブメントが駆動する様子を、トランスパレントバック仕様の裏蓋から鑑賞できるのも魅力的だ。
ブレゲと懐中時計について知ろう
アブラアン-ルイ・ブレゲが開発した機構の多くは現在に受け継がれており、ブレゲはまさに機械式時計の礎と歴史を築いたブランドだ。
名作として名高い「No.160」や「No.5」は、完全再現されたレプリカが製作され、ほかにも懐中時計をモチーフとしたモデルを数多く展開している。
ブレゲと懐中時計の歴史やその関係性を知ることで、ブレゲが手掛ける時計への愛着をより深められるだろう。
https://www.webchronos.net/features/38996/
https://www.webchronos.net/features/47033/
https://www.webchronos.net/features/71420/