グランドセイコーの魅力
グランドセイコーは9Sメカニカル、9Fクォーツ、9Rスプリングドライブという3種類の駆動方式を使い分け、完全国内生産されるムーブメントの数々には比類なき技術力が結集されている。
数々の実績を誇る技術力
グランドセイコーの機械式時計は、精密加工技術「MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)」によって調速脱進機を製造し、ヒゲゼンマイをも自製して高精度を実現する。
機械式では3万6000振動/時のハイビートモデルや、約72時間(約3日間)の実用的なパワーリザーブを備えたモデルをラインナップ。
クォーツ式時計では3カ月間のエージングを経て厳選した水晶振動子のみを採用し、駆動中は毎日540回の検温を行うことで年差±10秒以内の高精度を保証する。
スプリングドライブ式時計では水晶振動子とIC制御による月差±15秒以内の高精度と、主ゼンマイを動力源とする大きなトルクを両立した。
機械式時計以上の性能を象徴するような、トリプルバレルによる約192時間(約8日間)のパワーリザーブを備えたモデル(スプリングドライブ 8DAYS)も発表している。
実用性の高さ
グランドセイコーの腕時計は、ケースや針、インデックスに精緻な多面カットを施した上で「ザラツ研磨」やポリッシュ加工で仕上げる。
複雑な輝きは高級腕時計の貫禄を生むだけでなく、無駄のない表示要素と相まって視認性も良好だ。
あくまで稜線を活用した「シャープな造形美」がセイコースタイルの骨格であり、多くの一般的な高級腕時計に見られる豪華な装飾を用いない。「用の美」の追求こそがグランドセイコーを特徴付けるデザインコードといえるだろう。
完全国内生産
グランドセイコーの機械式時計は岩手県雫石町にある「雫石高級時計工房」で、クォーツ式時計とスプリングドライブ式時計は長野県塩尻市にある「信州 時の匠工房」で完全国内生産される。
雫石高級時計工房は「現代の名工」や「黄綬褒章」を受賞した技能士をはじめとする、日本を代表する時計師たちが卓越した技を振るうマニュファクチュールだ。
信州 時の匠工房内の「マイクロアーティスト工房」には精鋭の技術者が結集し、スプリングドライブの改良や研磨技術の洗練を行い、世界で賞賛されるコンプリケーションの開発を続けている。
セイコーとグランドセイコーの外観上の違い
2017年、グランドセイコーはブランドとして独立し、世界市場にフォーカスした新たな舵を切った。セイコーとグランドセイコーの外観上の違いを見ていこう。
ロゴの位置での見分け方
2017年までのグランドセイコーの腕時計はダイアルの12時方向に「SEIKO」の刻印があり、6時方向に「GS」と「Grand Seiko」のロゴを配していた。
2017年のブランド独立を機にダイアル装飾は一新され、以降のグランドセイコーからは「SEIKO」のロゴを排し、12時方向に「GS」と「Grand Seiko」を刻印している。
グランドセイコー単体表記とセイコーとのダブルネームの違い
2017年までのセイコーはドレスウォッチの「クレドール」、個性派の「ガランテ」、ビジネスパーソン向けの高級腕時計グランドセイコーという差別化したブランド戦略を展開してきた。
先進国市場の売上高のうち高級腕時計が占める割合は7割に達するが、グランドセイコーにはデザイン上の制約があったため、セイコーはそのポテンシャルを活かせずシェアを伸ばせなかった。
ダブルネームから脱したグランドセイコーはドレスウォッチやスポーツウォッチにもデザイン領域を拡大。日本生まれの最高級腕時計として国際市場でのマーケティングを強化し、スイス高級腕時計に並ぶ逸品としてますます評価を高めている。
グランドセイコーの歴史を知って理解を深めよう
2017年以降のグランドセイコーは、国際市場の中でスイス高級腕時計と比較しても遜色がないほどの高評価を得ている。今や高級腕時計市場における国際ブランドの一角として成長したグランドセイコーを手に取り、その魅力を堪能しよう。
https://www.webchronos.net/features/45463/
https://www.webchronos.net/features/43886/
https://www.webchronos.net/2020-new-watches/45416/