代表的なコレクションと歴史
極めて高い性能と機能美を合わせ持ったブライトリングの時計。そのなかでも代表的なコレクションを見ながら、同社の歴史を振り返ってみたい。
航空計算尺を装備 ナビタイマー
「ナビタイマー」は、1952年に登場した、ブライトリングを代表するコレクション。1940年代に誕生した回転計算尺付きの「クロノマット」をルーツに持ち、これに改良を加えることによって、航空用計算尺を装備したクロノグラフであるナビタイマーの歴史がスタートすることとなった。
初代モデルは、AOPA(世界パイロット協会)認定の公式時計に採用される栄誉にも輝いた。まさに、航空時計としての面目躍如を果たした時計といってよいだろう。
手巻き式のムーブメントを搭載してデビューした後、69年には自動巻きのモデルもリリースされた。現行モデルのラインナップも多彩で、限定モデルの多さもナビタイマーの魅力と言える。
オリジナルのデザインを継承する現行モデルで、ムーブメントは自社開発製造のCal.01を搭載する。自動巻き(Cal.01)。47石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SS(直径43mm)。3気圧防水。97万円(税別)。
宇宙飛行士用に開発 コスモノート
「コスモノート」は、ブライトリングが手掛ける、宇宙飛行士のためのタイムピースである。1959年、アポロ計画以前の宇宙探索プランであるマーキュリー計画を契機として、同機は誕生した。
この計画に選任されていた米軍パイロットのスコット・カーペンターは、ブライトリング社の技術が宇宙飛行に活用できると直感していた。
昼夜の区別がしにくい宇宙空間にあって、正確な時を把握するため、24時間方式で時を知らせる航空時計の製作を依頼したのである。この期待に応えて開発された時計が、コスモノートである。
航空用クロノグラフが出発点 クロノマット
1942年に発表された「クロノマット」は、航空用のクロノグラフとして開発されたモデルが出発点となっている。ブライトリングの中でも、歴史あるコレクションだ。
ムーブメントは当初、機械式の手巻きからスタートし、後に自動巻きも追加。75年にはクォーツもラインナップに加わった。
現行型の基礎となったのは、84年発表のモデルだ。当時のオーナーであるアーネスト・シュナイダーが、パイロットの意見を取り入れ、新たなクロノマットを完成させた。現在のブライトリングを代表する時計のひとつといってよいだろう。
2020年に完全リニューアルを果たした「クロノマット」。回転ベゼルに設けられたライダータブと、特徴的なルーローブレスレットは、1984年発表のモデルに着想を得た意匠。写真のジャパン エディションは一切の挿し色を排し、モノトーンのクールなルックスに仕上げている。自動巻き(Cal.01)。47石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SS(直径42mm)。200m防水。89万円(税別)。
ダイバー用に展開 スーパーオーシャン
「スーパーオーシャン」が登場したのは、1957年のことだ。ダイバー仕様の腕時計として開発され、200mの深水にも耐える防水性を備えていた。
初代モデルに改良を加え、2007年に現行モデルが登場。「スーパーオーシャン ヘリテージ」は、初代モデルを彷彿とさせるたたずまいが話題となった。
続いて、「スーパーオーシャン」シリーズもラインナップが充実する。機能にはさらに磨きがかかり、500mや1000m、最上級モデルでは2000mもの深さにも耐えられる防水性能を備えている。
存在感のあるアラビア数字とバータイプのインデックスを採用することで、マリンスポーツ時における判読性を高めた。自動巻き(Cal.17)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SS(直径42mm)。500m防水。40万円(税別)。
ブライトリングの歴史と魅力を知る
子供の頃に、大空を駆け巡る夢を抱いた人は多いだろう。ブライトリングは、人類の空での活躍を支えるとともに、空への憧憬をかきたてる時計を生み出すブランドだ。
他方、水中でもその性能を発揮するタイムピースは、日常生活においてもその魅力を存分に伝えてくれるなど、機能美にあふれている。
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