現行モデルについて知ろう
エアキングの現行モデルは視認性の高いダイアルデザインと高度な耐磁性能を獲得した。これらはパイロットウォッチの伝統的な仕様だが、100m防水やクロノメーター以上の高精度など、エアキングならではの魅力も備える。
2016年に登場したRef.116900
エアキングの現行モデルは2016年に登場したRef.116900である。過去モデルからダイアルデザインやケース構造、ムーブメントなどが一新され、性能が大幅に向上している。
「エクスプローラー」をベースにパイロットウォッチのようなダイアルデザインに仕上げ、しかもミルガウスと同等の耐磁性能を併せ持つ。
耐蝕性・耐久性・研磨性の高いオイスターケースは100m防水を誇り、リュウズは堅牢なトゥインロック(二重密閉構造)を採用するため、石鹸水での水洗いすら可能だ。
快適な着用感のオイスターブレスレットは「オイスターロック フォールディングクラスプ」により意図しない脱落を防止する上、「イージーリンク」により簡単な手順でブレスレットの長さを約5mm延長できる。
飛行史へのオマージュとして誕生
初代オイスターは、1933年に世界最高峰の山エベレストを超えて飛行する初の探検に携行されるなど、飛行のパイオニアたちに愛用された経歴を持つ。
Ref.116900は飛行史においてオイスターが果たした功績にオマージュを捧げたモデル。それは、本格パイロットウォッチに求められる高度な耐磁性や視認性を備えている点からも明らかだろう。
Ref.116900は日光による視認性の低下を招きにくいブラックダイアルを採用し、瞬時に12時方向を認識するための逆三角形のインデックスを配する。
大きなアワーマーカーとミニッツスケールは飛行時間の計測を容易にするためであり、さらに逆三角形のインデックスと針には夜間飛行(暗がり)でブルーに光るロレックス独自の発光塗料を塗布している。
Cal.3131の特徴
Cal.3131は2万8800振動/時のハイビート・高精度ムーブメントであり、随所に耐磁性・耐久性を実現するための工夫を凝らしている。
ロレックス独自のヒゲゼンマイ「ブルー パラクロム・ヘアスプリング」は非常に耐磁性が高く、衝撃にも強い。
マイクロステラナット付きグリュシデュール製テンワは高耐磁性である上、温度変化にも強く、ガンギ車には耐磁性が高い常磁性素材を採用した。
さらに、ムーブメントの精度はC.O.S.C.のクロノメーター認定を受けている上、ケーシング後の精度もロレックス独自の検査により日差±2秒をクリアする。
この高精度の証明として時計にはグリーンのタグが付属し、ダイアルに「SUPERLATIVE CHRONOMETER OFFICIALLY CERTIFIED」と印字されるのだ。
旧モデルとの違い
旧モデルはケース径34mmだったが、Ref.116900はケース径40mmとなり、視認性が向上した上、パイロットウォッチとしての貫禄が増した。
旧モデルではシンプルなインデックスにバー針を合わせ、ダイアルカラーのバリエーションは豊富だ。
一方のRef.116900は、大ぶりなインデックスにメルセデス針(ベンツ針)を合わせたブラックダイアルの一択である。ロレックスロゴと秒針がグリーンに、王冠マークがイエローにカラーリングされたことも変更点だ。
Cal.3131の搭載や二重構造のケースにより、耐磁性能がミルガウス並みになったことも特筆すべきだろう。
手入れとメンテナンス
現行モデルのエアキングは、リーズナブルな価格設定でありながら仕上げは上質で、高い防水・防塵性能も備える。時計のコンディションを維持するために、手入れやメンテナンスについて見ていこう。
日々の手入れと注意点
Ref.116900は100m防水を備えるが、防水・防塵性能を発揮するためにはリュウズをしっかりとねじ込む必要がある。時刻・日付調整後には、これ以上回らないところまでねじ込もう。
日常的なケアとしては、柔らかい布で適度に拭き、時計の輝きを保つことも大切だ。リュウズを確実にねじ込んでいる限りは、石鹸水と柔らかいブラシで水洗いもできる。
Ref.116900はパワーリザーブ約48時間の自動巻き時計であるため、着用している限りは手動でゼンマイを巻き上げる必要はない。数日間着用せずに時計が止まった場合は、着用前にゼンマイを巻き上げよう。
保証期間と範囲
2015年7月1日以降に発売されたすべてのロレックス時計は、5年間の国際保証が適用される。この保証期間の長さはロレックス時計の品質・信頼性の証だ。
ただし、ロレックスの純正部品・付属品以外を使用したり、ロレックスが認可しない第三者による改造があったりした場合、保証対象外となることに注意しよう。
少なくとも保証期間内は、独自のカスタマイズや正規アフターサービス以外でのオーバーホール・修理などは避けるのが無難だ。
アフターサービスの内容
ロレックス時計のオーバーホール・修理・点検などは「ロレックスサービスセンター」や「サービスカウンター」が窓口だ。サービスカウンターでは時計の郵送も受け付けている。
オーバーホールでは時計の完全な分解・洗浄や部品交換・注油、ケースとブレスレットの再仕上げや防水検査・品質検査などを行う。
オーバーホール後は、2年間有効な国際サービス保証書が発行される。この期間内に独自のカスタマイズなどを行った場合にも保証は無効となることに注意しよう。
エアキングをエントリーに
エアキングは最新モデルのRef.116900で本格パイロットウォッチのフェイスや耐磁性を獲得した。リーズナブルなエントリーモデルとして、またオンリーワンの個性的なロレックス時計としても検討したいモデルだ。
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