歴史から読み解くロンジン ダイバーズの正統性

　興味深いのは以降の改良ぶりだ。07年版は、ETA2824-2から日付を外した、キャリバーL633を採用していた。09年にはカレンダー付きのL633に変更。いずれもパワーリザーブはETA2824に同じ、約38時間だった。大きく変わったのは14年のこと。
ムーブメントはETA2892A2の改良版であるキャリバーＬ888.2に置き換わり、パワーリザーブは約64時間に延びたのである。21年にはさらに進化した。ムーブメントは同じＬ888.2だが、シリコン製のヒゲゼンマイとフリースプラングテンプを持つL888.5になったのである。そのパワーリザーブは約72時間と、07年モデルに比べて約2倍。見た目こそほぼ同じだが、性能は劇的に改善されたのである。当初のロンジン レジェンドダイバーは、レトロな見た目にもかかわらず使えるダイバーズウォッチという打ち出しだった。しかし最新版は、第一級のダイバーズウォッチとなった。人気に甘んじることなく、プロダクトを進化させ続けるのは、さすがに老舗だ。

　ロンジン製ダイバーズには、もうひとつの魅力的な選択肢がある。07年リリースの「ハイドロコンクエスト」は大きなリュウズガードと薄いケースを持つ今風のダイバーズウォッチ。13年にはマイナーチェンジを受け、文字盤や針、ブレスレットなどの質感が一層向上した。また18年にはベゼルリングがアルミニウムから傷の付きにくいセラミックスになった。

　やはりこのモデルも、ロンジン レジェンドダイバー同様、中身は大きく進化した。ムーブメントは発表当初のキャリバーL633からキャリバーL888.2を経て、21年には直径41㎜のモデルが、約72時間のパワーリザーブに、シリコン製のヒゲゼンマイとフリースプラングテンプを持つキャリバーL888.5を搭載するようになった。しかも価格は相変わらず戦略的なのだ。20万円台前半という値段で、約3日間動くパワーリザーブとシリコン製のヒゲゼンマイを持つダイバーズウォッチは他にないだろう。

　加えて、普段使いのできるサイズながら、ダイバーズウォッチとしての機能をしっかり押さえてあるのも同社らしい。大きなインデックスや針は視認性に優れる上、リュウズや回転ベゼルは、ダイビンググローブを着けても操作しやすいよう、大ぶりに仕立てられている。60ノッチで動く回転ベゼルも、表示精度はかなり良好だ。高価なダイバーズウォッチであっても、回転ベゼルがずれるものがあることを考えれば、ずれなく収まるハイドロコンクエストは非常に優秀と言えるだろう。リュウズの遊びもよく抑えられており、高級時計らしい味付けになっている。

　深いストーリーと丁寧な仕立てを持つロンジン レジェンドダイバーに、普段使いのできるパッケージと高性能を両立させたハイドロコンクエスト。歩みを止めないロンジンのスタンスは、ふたつのダイバーズウォッチに洗練を与えたのだ。

ロンジン ダイバーズキャンペーン

　海の世界においても、数々の海洋探索の歴史を刻むロンジンの時計。1960年のジャック・ピカールとドン・ウォルシュによる深海探索をはじめ、ロンジンのタイムピースは、海の挑戦者たちに選ばれてきました。ロンジン初のダイバー向けモデルを継承した「ロンジン レジェンドダイバー」、海の覇者の名にふさわしい精悍な機能美を誇る「ハイドロコンクエスト」。尽きることのない海へのロマンをたたえるブルーの新色をはじめ、これら2モデルのバリエーションがさらに充実します。2021年5月22日（土）～6月30日（水）の期間中、対象商品をお買い上げの方にロンジン オリジナルグッズをプレゼントいたします。