ブラックとゴールドのコントラストが映えるスポーツコレクションの2本
スポーツコレクション スプリングドライブクロノグラフGMT セイコー創業140周年記念限定モデル SBGC240
自動巻きスプリングドライブ(Cal.9R86)。50石。パワーリザーブ約72時間。SS(直径43.8mm、厚さ16.1mm)。10気圧防水。世界限定500本。209万円(税込み)。
ブランド初となる18KYGとブラックセラミックスのコンビネーションベゼルを採用した限定モデルが「SBGC240」である。採用する十二角形のイエローゴールドベゼルは、インデックスの延長線上に頂点を配しており、どの角度からでも時刻を判読しやすくしながら、多様な光の反射を生み出している。また、耐傷性能が高く艶のあるジルコニアセラミックスをベゼル上部に採用することで、美しい質感を末永く楽しむことが可能となっている。
ケースはザラツ研磨によって整えられ、上面はヘアライン仕上げ、側面は鏡面仕上げであり、スポーツモデルらしい無骨さと、グランドセイコーの精悍な造形と上質な輝きを兼ね備えている。ブラックダイアルに組み合わされるのはゴールドカラーの時分針とインデックスで、ベゼル部の配色と統一感を生み出している。プッシュボタンは18KYG製で、従来モデルから心地よいクリック感を引き継ぎつつ、サイズダウンして装着性を向上させるなど、細かな改良が加えられている。
スポーツコレクション クオーツGMT セイコー創業140周年記念限定モデル SBGN023
クォーツ(Cal.9F86)。SS(直径40mm、厚さ13.7mm)。200m防水。世界限定2021本。60万5000円(税込み)。
セイコー創業140周年を迎え、更なる挑戦を続ける強い意志の象徴として夜明けに輝く太陽をイメージしたのが「SBGN023」である。搭載するのは、セイコーが長年追求してきた「正確さ」「美しさ」「見やすさ」と「長く愛用でき」「使いやすいこと」を備えるクォーツムーブメントCal.9F86であり、針の揺れを抑えるバックラッシュオートアジャストや、重い針を正確に駆動するツインパルス制御モーターを備えるのに加え、時針の単独修正を可能にしたGMT表示機能を有する。
ダイアルは、金色があしらわれたGSロゴ、ダイヤルリング、GMT針を備え、光を受けて反射する放射パターンのダイアルが、夜明けに輝く太陽の光を表現する。また、ダイヤルリングは2色に分けられ、24時間表示の6時位置から19時位置は今作のイメージに合わせたゴールドカラーを配している。
「THE NATURE OF TIME」のフィロソフィーを体現する4本
近年のグランドセイコーは、日本の美しい風景をデザインテーマとし、さまざまな技法による新たな表現にチャレンジしている。これは、自然の季節の移ろいからインスピレーションを受ける感性と、時の本質に迫ろうとする匠の姿という日本特有のふたつの精神性を表す「THE NATURE OF TIME」をブランドフィロソフィーとして掲げているためだ。
2021年もこのフィロソフィーに則った限定モデルが多く発表された。
マスターピースコレクション 8日巻きスプリングドライブムーブメント9R01搭載 セイコー創業140周年記念限定モデル SBGD207
手巻きスプリングドライブ(Cal.9R01)。56石。パワーリザーブ約192時間。Pt(直径43mm、厚さ13.5mm)。10気圧防水。世界限定15本。2200万円(税込み)。
2020年に初のメンズジュエリーウォッチを発表したことで、コレクションにさらに厚みが増したグランドセイコー。メンズジュエリーウォッチ第2弾となる「SBGD207」は、グランドセイコーゆかりの地である長野県の諏訪地方の森の中にひっそりと佇む「御射鹿池(みしゃかいけ)」をテーマとしたモデルだ。御射鹿池は、水面には周囲の山々が逆さに映り込む神秘的な光景をなし、日本を代表する画家のひとりである東山魁夷が1982年に発表した「緑響く」のモチーフになったことでも知られている。
御射鹿池に映し出された木々の緑を彷彿とさせるダイアルは、白蝶貝にグリーンを施して表現されている。ダイアルを囲んで分目盛りとしてあしらわれた48石の細長いテーパーバゲットダイヤモンドと、12石のグリーンガーネットの輝きが、御射鹿池の神秘性を表現している。ケースはプラチナ製で、独自のアイディアと匠の技によるザラツ研磨を施してあり、ダイアルの輝きに負けない端正な美しさを備えたものに仕上がっている。
ムーブメントは、8日巻きスプリングドライブムーブメントのCal.9R01を搭載する。美しくスイープする秒針や長いパワーリザーブに加え、マイクロアーティスト工房が手掛ける仕上げ品質の高さが特徴である。また、受けの形状は富士山、ローターは太陽、ルビーは諏訪の街の灯り、パワーリザーブ表示は諏訪湖がイメージされており、スプリングドライブ誕生の地にまつわるストーリー性のあるデザインだ。
マスターピースコレクション 薄型スプリングドライブムーブメント9R02搭載 セイコー創業140周年記念限定モデル SBGZ007
手巻きスプリングドライブ(Cal.9R02)。39石。パワーリザーブ約84時間。Pt(直径38.5mm、厚さ9.8mm)。3気圧防水。世界限定50本。880万円(税込み)。
長野県阿智村は、平成18年の環境省による全国星空継続観察にて、「夜空の明るさが星の観測に適していた場所」第1位に認定されている。そこに広がる“日本一美しい星空”をダイアルとケースにダイナミックに表現したのが「SBGZ007」である。
一見、ラメのようにも見えるダイアルの輝きは、凹凸のある下地にメッキや塗装を何層にも重ねることで作り出された。これにより、光の反射や見る角度によって変化する、繊細で深みのあるきらめきを生み出した。高い塗装技術を誇るグランドセイコーならではの表現と言えるだろう。
また、星の輝きが広がる様子を表現した模様を施したプラチナ製ケースは、一度ザラツ研磨によって歪みなく磨き上げられた後に熟練職人によって細工されたもので、凹凸がありながら端正なフォルムを持つ。今作に相応しい繊細な輝きを放つ時分針、インデックスには14KWGが用いられ、それを示すSDマークが6時位置に配される。
ムーブメントは、マイクロアーティスト工房が手掛けるCal.9R02を搭載する。ムーブメント厚さ4.02mmと、現行のスプリングドライブムーブメントで最も薄く、時計の仕上がり厚さ9.8mmの今作のスリムで洗練されたケースデザインに大きく貢献している。薄型でありながらデュアル・スプリング・バレルとトルクリターンシステムを組み合わせた機構により、約84時間のロングパワーリザーブを実現し、高い実用性を兼ね備えている。さらに、マイクロアーティスト工房によるムーブメントへの優れた仕上げも見どころのひとつである。
ヘリテージコレクション スプリングドライブムーブメント9RA2搭載 セイコー140周年記念限定モデル SLGA007
自動巻きスプリングドライブ(Cal.9RA2)。38石。パワーリザーブ約120時間。SS(直径40mm、厚さ11.8mm)。10気圧防水。世界限定2021本。99万円(税込み)。
諏訪湖は、縄文時代から人々の生活と共にあった歴史的背景があり、近代では製糸産業が栄え、現在に至る腕時計などの精密機械工業の発展を支えてきたことから、グランドセイコーゆかりの地である諏訪地方の象徴と言える。「SLGA007」は、早朝の静寂の中で、湖を渡る風に細波の音を穏やかに立てる諏訪湖の情景から着想を得て、その水面を型打ちのダイアルで表現したものだ。この「ミナモパターン」は、光を受ける角度により、そよ風に揺らぐ水面のような表情を見せる。
搭載されるのは次世代スプリングドライブムーブメントのCal.9RA2である。新世代の設計思想による薄型設計を採用しており、ケースの仕上がり厚さも11.8mmに抑えられている。また、スプリングドライブによる滑らかな秒針のスイープは、湖畔の静けさを表現する今作に相応しいものだ。
エレガンスコレクション スプリングドライブムーブメント9R31搭載 SBGY008「垂り雪(しずりゆき)」
手巻きスプリングドライブ(Cal.9R31)。30石。パワーリザーブ約72時間。18KPG(直径38.5mm、厚さ10.2mm)。3気圧防水。世界限定60本。418万円(税込み)。
冬の諏訪地方で見られる、木々の枝に降り積もった新雪が零れ落ちる様を表す“垂り雪”の儚い美しさを表現したのが「SBGY008」である。新雪の柔らかな質感を型打ちのダイアルで表現し、垂り雪の繊細な輝きをケース側面のダイヤモンドで演出している。ダイアルが表現する白銀の世界と、そこに射し込む暖かな陽光を思わせる18KPG製ケースの色調によって、信州の穏やかな冬の風景が写し取られている。
また今作には、ブラウンカラーをベースに凹部に黒色を入れたアンティーク調のクロコダイルストラップに加え、垂り雪の世界観を引き立てるサテン調のストラップが付属する。