IWCのダイバーズウォッチ、「アクアタイマー」ってどんな腕時計なの? 歴史や魅力を解説!

FEATUREその他
2022.12.02

「アクアタイマー」は、1967年に発表されたIWCのダイバーズウォッチコレクションだ。1960年代に米国でマリンスポーツの人気が高まり、本格的な防水機能を備えた時計が求められたのをきっかけに製作された。半世紀を経てなお愛好家の心をとらえる、IWCのアクアタイマーの魅力に迫る。

アクアタイマー


IWC「アクアタイマー」とは?

 「アクアタイマー」は、スイスを代表する高級時計メーカーIWC(International Watch Company)から、1967年に発表されたダイバーズウォッチである。発表された時点で、200mの防水性能と回転式ベゼルを搭載している高性能なダイバーズウォッチとして注目された。IWCの6種類の伝統的なコレクション(ポルトギーゼ、パイロット・ウォッチ、ポートフィノ、ダ・ヴィンチ、インヂュニア、アクアタイマー)の中のひとつでもある。

プロダイバー

現行アクアタイマーの特徴

 現行アクアタイマー最大の特徴が、インナー回転式ベゼルである。一般的なダイバーズウォッチは、ベゼル部分の回転式ベゼルを手動で操作することになるが、アクアタイマーのベゼルは風防内のダイアル外周部にあり、リュウズで操作する仕組みになっている。

 この機構により、スッキリとしたデザインを実現しており、一般的なダイバーズウォッチよりも、よりスタイリッシュな外観になっている。またベゼルが風防内になるため、外部からの衝撃からベゼルを守る設計になっている。

アクアタイマー・オートマティック

IWC「アクアタイマー・オートマティック」Ref. IW328803
最もスタンダードな、アクアタイマーの3針+カレンダーモデル。ケースの直径は42mmで着用しやすく、30気圧の防水性能を備えている。幅広いシーンになじむオールマイティーな1本だ。自動巻き(Cal.32111)。21石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約120時間。SSケース(直径42mm、厚さ14.1mm)。30気圧防水。108万3500円(税込み)。

アクアタイマーの歴史

 アクアタイマーが製作された背景には、1960年代の米国でのマリンスポーツ人気の高まりがある。マリンスポーツを楽しむ機会が増えたことから、本格的な防水機能を備えた時計が求められるようになったからだ。

初代アクアタイマー

マリンスポーツ、主にダイビングの人気が高まったことを受けて開発されたのが、1967年に発表された初代アクアタイマー。ダイバーズウォッチらしからぬ外観でありながら、当時でも200mの防水性能を持っていた。文字盤外周に配されたインナー回転式ベゼルは、現行品まで継承されている要素だ。

 当時、一般的に流通していたダイバーズウォッチには、逆回転防止ベゼルではなく、リュウズで操作するベゼルを採用していた。

 発表当時から高性能ダイバーズウォッチとして評価されていたアクアタイマーも、時代とともに進化を重ね、さまざまなモデルが登場した。当時は200mだった防水性能は最大2000mまで強化され、デザインもより洗練されたスポーティーなものとなっている。

 現在では、パイロットウォッチ、ポルトギーゼに次ぐ人気シリーズといえるだろう。特に30代~40代からの人気が高く、ビジネスシーンで着用される方が多いのも特徴である。


アクアタイマーの魅力を知ろう

 ビジネスシーンでも多くの人に愛用されるアクアタイマー。そんなアクアタイマーの魅力を3つ紹介する。

1:クロノグラフ搭載のダイバーズウォッチ

 アクアタイマーの魅力は、クロノグラフ搭載のダイバーズウォッチであるということだろう。一般的なダイバーズウォッチは複雑な機構を備えていない場合が多く、ごくシンプルな3針タイプであることが多い。これは視認性を重要視しているからである。

 一方、アクアタイマーにはクロノグラフモデルがラインナップされており、何とも都会的でお洒落な印象を醸し出している。これがビジネスマンに「普段使いできるダイバーズウォッチ」として人気が出ている理由のひとつといえる。

アクアタイマー・クロノグラフ

IWC「アクアタイマー・クロノグラフ」
その名の通り、クロノグラフ機能を搭載した数少ないダイバーズウォッチ。計測のためのインダイアルはシンプルなデザインで、太い時分針とも相まって視認性を確保している。自動巻き(Cal.79320)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約44時間。SSケース(直径44mm、厚さ17mm)。30気圧防水。105万500円(税込み)。

 また、ダイバーズウォッチは視認性が重要であるため、ケースサイズが大きくなりがちである。アクアタイマーも例に漏れず、ケースサイズは44mmでやや大きめではあるが、クロノグラフのデザインのおかげでその大きさが気にならない。むしろスタイリッシュな存在感が増していて、スマートさすらも感じられるデザインである。

2:回転式インナーベゼル

 アクアタイマーには、回転式インナーベゼルというデザインが採用されており、ベゼルの数値表示板がガラス内(文字盤の外周)に配置されている。これはアクアタイマーならではの珍しいデザインである。

 回転式インナーベゼルにより、ベゼル表面に傷がつくことがないため、長く使用しても時計のデザイン性が損なわれることがない。数値が表示されている箇所と針の距離が近くなるため、時刻を確認する際の視認性にも優れている。

インナーベゼル

アクアタイマー最大の特徴であるインナーベゼル。リュウズで操作するため、ベゼルを直接指で回転させる一般的なダイバーズウォッチと比較してダイレクトな操作性は劣るが、インナーベゼル表面に外からの傷が付くことはなく、美観と安全性が保たれる。

 この回転式インナーベゼルには逆回転防止機構が備わっており、ダイバーなどのマリンスポーツを楽しむ人の安全面も配慮されている。流石、マリンスポーツを楽しむ人向けに作られたアクアタイマーといえるだろう。

3:ブレスレットクイック交換システム

 多くの人が使いやすいと感じている点として、ベルト交換がしやすいという点が挙げられる。

 アクアタイマーのベルトはデフォルトではブレスレッドを採用しており、比較的クラシックなデザインになっているが、そのベルトをレザーに変えて、さらに高級感がある雰囲気を演出できる。

 その日の気分やTPOに合わせて、ベルト交換をして楽しみたい人にはおすすめだろう。

ケースバック

クイック交換システムが備わったアクアタイマーのケースバック側。ストラップもしくはブレスレットの裏側にあるレバー(中央の突起)を押しながらスライドさせると、簡単に外れる仕組みになっている。


まとめ

 アクアタイマーは、デザイン性の高いクロノグラフとダイバーズウォッチとしての高機能性が魅力の時計といえる。

 マニアックなダイバーズウォッチでもあるが、それゆえに他の人と被りにくく、時計愛好家からも多くの支持を集める時計である。

 ダイバーズウォッチとして必要な機能を備えつつ、かつ個性的なデザインを求めている人には特におすすめしたい。



Contact info: IWC Tel.0120-05-1868(平日のみ 11:00-19:00)


IWC 150周年記念モデルの特徴は青。歴史と魅力を掘り下げる

https://www.webchronos.net/features/65667/
IWC 「オーシャン 2000」と「アクアタイマー」の特徴と魅力。進化を続けるダイバーズウォッチの名機

https://www.webchronos.net/features/65668/
IWCの腕時計が持つ魅力とは?特徴やコレクション・定番モデルを紹介

https://www.webchronos.net/features/72586/