タグ・ホイヤー「カレラ」の新作は、見た目よし、中身よし、価格よしの大金星！

ムーブメントはホイヤー02から大幅進化を遂げたCal.TH20-00

　搭載するムーブメントも大きく変わった。カザピはこう語る。「新しいムーブメントは、キャリバー02を改良したCal.TH20-00。一部の歯形を変えたほか、自動巻きも片方向巻き上げから両方向巻き上げに替えた」とのこと。確かに時計を振っても、ローターの空転音は全くない。

　今回自動巻きに採用したのは、標準的なリバーサー。ETAやロレックスなどが採用する、歯車の噛み合わせで巻き上げる仕組みだ。設計にはノウハウがいるはずだが、ではタグ・ホイヤーはどうしたのか？

　なんとCal.TH20-00はMPS社製のリバーサーを採用した、とカザピは説明する。リシャール・ミルやオーデマ ピゲ、カルティエなどが採用するこのリバーサーは、セラミックスのベアリングを用いることで、高い巻き上げ効率と耐久性を持つものだ。

　決して安くはない自動巻き機構を採用したのは、ムーブメントの性能を底上げするためだろう。筆者はこのムーブメントをテストしたわけではないが、理論上の性能は優れているに違いない。

　レトロ風に見えながらも、今のデザインコードでまとめられた新しいカレラ。正直、タグ・ホイヤーがこれほどの時計を作るとは予想もしていなかった。

　本作は時計好きはもちろんのこと、スタイリッシュなクロノグラフを探している人にもうってつけの存在に違いない。腕に置いたときの高揚感は、今までのカレラとは一線を画している。