Grand Seiko SEIKO 130th Anniversary Commemorative Edition
現在の技術を反映した、全く新しい復刻モデル
グランドセイコー セイコー創業130周年記念 限定モデル
初代GSに酷似しているが、直径35.8mm、厚さ11mmとやや大きい。ファーストモデルはセイコーの120周年記念にも復刻されたが、2011年の新作はさらにケース構造とサイズ、ムーブメントが改められた。優れて良質な実用機。手巻き(Cal.9S64)。24 石。2万8800 振動/時。パワーリザーブ約72時間。Pt。3気圧防水。限定130本。210万円。問セイコーウオッチ お客様相談室 TEL:0120-061-012
初代GSに酷似しているが、直径35.8mm、厚さ11mmとやや大きい。ファーストモデルはセイコーの120周年記念にも復刻されたが、2011年の新作はさらにケース構造とサイズ、ムーブメントが改められた。優れて良質な実用機。手巻き(Cal.9S64)。24 石。2万8800 振動/時。パワーリザーブ約72時間。Pt。3気圧防水。限定130本。210万円。問セイコーウオッチ お客様相談室 TEL:0120-061-012
セイコー130周年のコメモレーションモデルとして発表された、初代GSの復刻版。復刻版は以前(「120周年モデル」)もあったが、これは文字盤のロゴが太く、風防の形もボクシーに過ぎた。しかし再復刻にあたり、セイコーはムーブメントを含むすべてをリファイン。復刻モデルとしては、実に望ましい完成度を持つに至った。
120周年モデルとの違いは、主にムーブメントにある。搭載するのは、キャリバー9S65から自動巻き機構を省いた9S64。前作の9S54に比べて、はるかに優れた等時性と、ムーブメント単体でも約1万A/mという高い耐磁性を備えたものだ。サイズも異なり、64は54に比べて、0.6㎜厚い。しかし裏蓋のみを厚くして対応するのではなく、それぞれの外装部品の厚みを増して0.6㎜を稼ぎ出している。
本作は初代GSに非常に似ているが、当然細部は異なる。ラグにはザラツ研磨が施されたほか、インデックスや針に施されたダイヤモンドカットも、より歪みのないものとなった。初代モデルの造形を引き継ぎつつも、仕上げを大幅に改善し、シャープな造形(これは1960年代後半以降のグランドセイコーを特徴付ける要素だ)を与えたのが、本作と言って間違いないだろう。
ちなみに筆者自身はこのモデルにいささか思い入れがある。2010年の夏に、セイコーウオッチでプロトタイプを見せられ、忌憚のない意見を述べたのである。ロゴがまだ太い、など多少注文を出したことを覚えている。果たせるかな、翌春のバーゼルで見た本作は、120周年モデルに失望した筆者を喜ばせるだけの完成度を備えていた。口うるさいセイコーファンも、このモデルの仕上がりにはきっと満足するはずである。
(左)ほぼ原型に忠実な文字盤。ただし「Chronometer」の文字が省略されたほか、12時、9時、3時、6時以外のインデックスも抑えられている。ドイツ文字のロゴも拡大されたほか、彫りも深い。文字盤の地がエッチング加工で荒らされているのもオリジナルとの相違だ。(右)ダイヤモンドカットが施されたベゼルと、ザラツ研磨で仕上げられたラグ。重いサファイア製の風防を支えるため、ベゼルに「タメ」が設けられた点も異なる。オリジナルに同じく、ケースは林精器製。
ケースサイド。サイズは120周年モデルにほぼ同じだが、風防の立ち上がりがより丸くなったほか、ベゼルもはめ込みとなった。120周年モデルはベゼルをはめ込んだ後内側に折り込んであるため、分解して再研磨を施すことが難しい。整備性を考慮して、本作でははめ込みに改められた。
(左)極めて良質な、5面ダイヤモンドカットの針。秒針は平板だが、これはオリジナルを再現したため。とは言え、ダイヤモンドカットではなく、わずかに立体感を持たせてある。
(右)初代モデルに比べて、1.45mm厚くなったケース。120周年モデルに比べても、0.6mm厚い。オリジナルを忠実に再現した裏蓋。しかし搭載するムーブメント厚を反映して、やや厚くなった。
(右)初代モデルに比べて、1.45mm厚くなったケース。120周年モデルに比べても、0.6mm厚い。オリジナルを忠実に再現した裏蓋。しかし搭載するムーブメント厚を反映して、やや厚くなった。