AQUATIMER AUTOMATIC
操作性と視認性を確保した二重構造の回転ベゼル
アクアタイマー・オートマティック Ref.IW329002
現時点におけるアクアタイマーの完成形。ダイバーズウォッチらしからぬ簡潔な造形も魅力的だ。またラグが短いため装着感も良好である。自動巻き(Cal.30120)。21石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。SS(直径42mm)。300m防水。68万5000円。
現時点におけるアクアタイマーの完成形。ダイバーズウォッチらしからぬ簡潔な造形も魅力的だ。またラグが短いため装着感も良好である。自動巻き(Cal.30120)。21石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。SS(直径42mm)。300m防水。68万5000円。
1967年の初代アクアタイマーに始まるIWC製ダイバーズウォッチの歴史。現時点での完成形は、いうまでもなく最新の「アクアタイマー」だ。
オーシャン2000以降、IWCは回転ベゼルの設計で試行錯誤を続けてきた。インナー式の回転ベゼルは防水性能を高められるし故障も起きにくいが、操作性は良くない。対してアウターの回転ベゼルは、操作性に優れる半面、誤作動を起こしやすく、故障の原因になる。対して2014年発表の第6世代は、インナー式とアウター式のメリットを合わせた、新設計の回転ベゼルを持っていたのである。左右に回転するアウターベゼルは、文字盤の外周に置かれたインナーリングと連結している。反時計回りに回すと、インナーベゼルは噛み合って回転するが、時計回りに回すと、内蔵したクラッチが切れて、インナーベゼルは回らない。回転ベゼルの設計で試行錯誤を続けた、IWCならではのユニークで実用的な機構と言える。
外装の質感も向上した。チタンケースの内製化に取り組んで以降、IWCはケースの自製を進めてきた。現在、その割合はほぼ100%。毎年のように高精度な工作機械を導入し、研磨職人の技量を高めることで、今やIWCは、ダイバーズウォッチにさえも、面の歪みが小さくエッジの立った、高級時計らしいケースを与えられるようになったのである。また、簡単に長さを調整できるブレスレットも、アクアタイマーの大きな美点だ。
正直、IWCのコレクションの中でも、アクアタイマーはあまり注目を集めていない。しかし、熟成を重ねた現行モデルは、ダイバーのみならず、スポーティーな高級時計を探している人にもうってつけだろう。アウターベゼルに目盛りが刻まれていないため、一見、ダイバーズウォッチに見えないのも大きな魅力である。
グローブを着けた状態でも回しやすいよう、外周に切り込みを設けたアウターベゼル。そのデザインは、かつてのオーシャン2000に似ている。ベゼルに限らず、新しいアクアタイマーは、オーシャン2000のデザインモチーフを多く採用している。
オーシャン2000以降、IWCはダイバーズウォッチの視認性を改善してきた。本作は、回転ベゼルの0から15分のインデックスのみに夜光塗料を塗布することで、潜水時間を把握しやすくしている。写真が示すとおり、夜光塗料はかなり厚く塗られている。
ケースサイド。直径は42mmもあるが、ラグを短く断ち落としてあり取り回しは良好である。ケースのデザインはGST アクアタイマーを踏襲しているが、内製率の向上に伴い、質を大きく高めた。
ねじ込み式のケースバック。前作に比べてロゴの彫り込みが深くなったほか、筋目の仕上げもより密になっている。ブレスレットの長さは容易に調整できるほか、ブレスレット自体も簡単に取り外しができる。無駄な遊びを抑えたブレスレットは、IWCの時計に共通する美点だ。
ヘリウムエスケープバルブのように見えるのが、アウター/インナー回転ベゼルを支えるドライブホイールとギアのカバーである。ドライブホイールとギアは分解可能。整備性を考慮したのは、いかにもIWCらしい。
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