IWCは、米国海軍飛行隊とのコラボレーションに着想を得た「パイロット・ウォッチ・オートマティック 41・ブラック・エイセス」を発表した。ハイライトとなるのは、全面夜光のホワイト文字盤だ。ケースは酸化ジルコニウム・セラミック製で、自社製ムーブメントのCal.32100が搭載されている。本モデルはオンライン限定販売となる。
パイロット・ウォッチ・オートマティック 41・ブラック・エイセス
自動巻き(cal.32100)。21石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。セラミックスケース(直径41mm、厚さ11.4mm)。6気圧防水。94万6000円(税込み)。※オンライン(IWC.com)でのみ販売。
85年以上にわたり、IWCはコックピット向けの機能的な計器類の開発に関して、広範な専門知識を蓄積してきた。こうしたノウハウは、プロのパイロットとの意思疎通を続けることで、いっそう豊かなものになり、パイロット特有の要望やニーズをIWCのエンジニアが正確に理解することが可能になっている。米国海軍とのパートナーシップから生まれたプロフェッショナル・パイロット・ウォッチ・プログラムの一環として、IWCは目の肥えた高速ジェット機のパイロット向けに、高度に専門化されたウォッチを開発している。
パイロット・ウォッチ・オートマティック 41・ブラック・エイセス(Ref. IW326905)は、米国海軍第41戦闘攻撃飛行隊、別名「ブラック・エイセス」の隊員のために、これまでのIWCが設計したパイロット・ウォッチにインスピレーションを得て製作されている。現在この飛行隊は、カリフォルニア州リムーア海軍航空基地を拠点としているが、もともと1950年にオセアニア海軍航空基地で結成された第41戦闘攻撃飛行隊(VFA-41)で、第9空母航空団に配属されており、コールサインは「Fast Eagle」である。
23時間以上も発光する文字盤
このタイムピースの最も印象的な特徴は、スーパールミノバを用いた全面夜光のホワイトの文字盤だ。「ブラック・エイセス」のパイロットと協力して開発されたこの文字盤は、複雑な製造工程によって実現されている。まず最初に、ハイグレードなスーパールミノバを結合剤と混ぜ、円形の鋳型に流し込み、特別に開発された工程によって硬化させることで、セラミックスのような耐久性が備わる。
次に、こうしてできたソリッドディスクを軟鉄製の文字盤ブランク材に固定し、最後にブラックのインデックスと数字、およびトランプのスペードのエースに似た「ブラック・エイセス」の記章を文字盤にプリントする。暗室試験では、この文字盤は23時間以上にもわたって鮮やかな緑色の光を放ち、夜間の視認性と読み取りやすさをまったく新しいレベルに引き上げている。光エネルギーの吸収と放散のプロセスは無限に繰り返すことが可能で、それによって材料が劣化したり蓄光能力が低下することはない。
硬く傷つきにくいセラミックスケース
パイロット・ウォッチ・オートマティック 41・ブラック・エイセスのケースはブラックの酸化ジルコニム・セラミック製だが、この材料は1980年代からIWCが時計業界に先駆けて開発に取り組んできた。セラミックスは一般的に、ダイヤモンドに次ぐビッカース硬度を持ち、地球上で最も硬い物質のひとつに数えられる。軽くて硬く、傷がつきにくいことから、腕時計が様々な計器にぶつかりやすいジェット機のコクピットという限られた空間で、毎日使用するのに最適な素材である。
しかも、さりげないマットブラックのカラーリングで、時計に日光が反射してパイロットの気が散ることもない。裏蓋は軽量チタン製で、スペードの背景に「ブラック・エイセス」の双発ジェット機のエングレービングが施されている。
Cal.32100
パイロット・ウォッチ・オートマティック 41・ブラック・エイセスを駆動するのは、IWCの自社製ムーブメント、Cal.32100 だ。軟鉄製インナーケースに加え、ムーブメント内でも耐磁性シリコン脱進機を採用することで、いっそう磁場の影響を受けにくい。効率に優れた双方向爪巻き上げ機構により、約72時間のパワーリザーブを主ゼンマイに蓄える。このウォッチは、サンドブラスト加工のステンレススティール製ピンバックルが付いたブラックの布製ストラップが組み合わされる。
https://www.webchronos.net/news/99744/
https://www.webchronos.net/features/65682/
https://www.webchronos.net/features/77848/