優れた機械式時計を自社で企画、開発、製造する独立系高級時計ブランド、アーミン・シュトローム。2010年に発表した「One Week」は、現在のアーミン・シュトロームの基礎となっている。コレクターたちに注目されてきた、シンメトリーな調和を念頭においたデザインのOne Weekは23年、ブランドの定番ラインナップモデルとして再構築される。
アーミン・シュトロームが革新的な構造の「One Week ファースト・エディション」を発表
手巻き(Cal.ARM21)。35石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約7日間。SSケース(直径41.0mm、厚さ10.6mm)。10気圧防水。25本の世界限定。627万円(税込み)。
アーミン・シュトロームの時計の特色のひとつとして運動力学的な要素を常にダイアル側に置くことを重視している点が挙げられる。「One Week ファースト・エディション」では、この点をさらに推し進め、設計とデザインを抜本的に見直した手巻ムーブメントはまさに彫刻的な仕上がりとなった。フォルム、機能、美しさ、エルゴノミクス(人間工学)のすべてが調和し、前面に押し出され、その結果本来の伝統的な時計づくりが、ダイナミックで革新的な方法で実現された。
「2010年製のOne Weekは当社初の完全自社製造ムーブメントで、アーミン・シュトローム・マニュファクチュールの中でも特別な地位を占めています。今回はムーブメントを根本的にデザイン・設計し直すため、私たちは単にフェイスリフトするだけでなく、そのはるか先を目指しました。等時性を向上させるために直列で動作する2つのバレル、3Dパワーリザーブ表示と振動数の増加など、新型One Weekは、ビールのチームにとって間違いなく画期的な成果です。」とマスター・ウォッチメーカーでありアーミン・シュトローム社の共同創業者、クロード・グライスラーは語る。
新しい手巻キャリバーARM21
2本のフィンガー型ブリッジで支えられたバレルは、全開になったダイアルの右側に、左右対称に配置される。手巻き操作時は、2つの角穴車が2つのバレルを逆方向に巻き上げる様子が、ダイアル側から完全に見えるため、催眠術のような動きを生み出す。
新型One Weekの最大の特徴のひとつが、パワーリザーブ・インジケーターである。パワーリザーブは、ムーブメントの構造的な奥行と調和した、懐中時計風のコーンシステムに表示される。これはダイアルの反対側にある円錐形のギヤで駆動される、ミラーポリッシュ仕上げのコーンで構成されている。もうひとつの大きな進化は、調速機構の振動周波数だ。あらゆるシーンに対応する時計を想定して設計されているので、ダイナミックな活動でも着けられるように、振動数は2.5Hzから3.5Hz(25,200vph)へ上げられた。高くなったこの周波数は、より安定したクロノメーター性能を発揮するが、それはつまりギヤトレイン全体を再計算、再構築しなくてはならないということだ。
実際、ムーブメントが見える一部オープンダイアルが特徴だった先代のOne Weekは、より3次元的に考案されている。伝統的なダイアルを完全に捨て去り、代わりにムーブメントの要素を、様々な角度から見られるようにした最新の設計が採用されている。針を支えるブリッジは幾何学的な形状で、メインプレートから浮き上がったように設計されている。視認性を高めるため、ムーブメントはスーパールミノバⓇを塗布したバトンインデックスを配したチャプターリングで囲まれている。9時位置にはブランドの「AS」ロゴが描かれたブラックのスモールダイアルがあり、その上にスモールセコンド針がセットされている。
One Weekのムーブメントはステンレススティール製のケースに収められている。直径は41mm、厚さはわずか10.6mmで、キャリバーの深みからすると、驚くほどコンパクトなケースである。
生産数は25本限定で、アーミン・シュトロームの通常5年保証に代わって、10年延長保証付きでリリースされる。またPVDコーティングのライトブルーのメインプレートとブリッジで将来のエディションと区別される。
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