ルイ・ヴィトンと独立系ウォッチメーカー「レジェップ・レジェピ」のコラボレーションにより、チャイミングコンプリケーションを備えたダブルフェイスのクロノグラフが「タンブール」に収められた。レジェップ・レジェピが設立したアトリエ・アクリヴィアでは、新しいトゥールビヨンムーブメントを本作のために開発している。
手巻き(Cal.LVRR01)。41石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。Ptケース(直径39.9mm、厚さ12.2mm)。3気圧防水。
“ルイ・ヴィトン ウォッチ プライズ フォー インディペンデント クリエイティブズ”の初回プロジェクト
「LVRR-01」には高い技術力が集約されている。チャイミングコンプリケーションを備え、ダブルフェイスのクロノグラフを搭載する。また、まったく新しいトゥールビヨンムーブメントが再解釈されたタンブールのプラチナ製ケースに収められている。本作は、レジェップ・レジェピの時計作りへの情熱とルイ・ヴィトンの時計作りに対する思想が重なって生まれた。
例えば、現在時刻を表示するトゥールビヨンレギュレーターを備えた高精度クロノメーターであると同時に、経過時間を計測する計器でもある。ソヌリ機構により、時間の経過を示す時計の誕生は時計業界の歴史上、初めてのことだ。また、片面は淡い色を施したサファイアクリスタルは現代的な要素を感じさせるが、もう片面はホワイトカラーのグラン・フー・エナメルを使用して伝統的な雰囲気に仕上がっている。これらは両メゾンの個性と思想が表現されている点であるといえる。
歴史を知ればさらにこのコラボレーションウォッチが意味深いものであることに気付かされる。アトリエ・アクリヴィアの初のタイムピースである「AK-01」はクロノグラフとトゥールビヨンの両方が搭載されていたものであった。また、ルイ・ヴィトン初のコンプリケーションウォッチ「タンブールLV277」はクロノグラフで、メゾン初のハイウォッチコンプリケーションはトゥールビヨンだった。
搭載されるムーブメントはレジェップ・レジェピが独自に開発したまったく新しいキャリバーである。手作業で施された装飾や優美な形状のクロノグラフレバーを見ることができる。従来のムーブメントと比較すると、本作のキャリバーは裏表が逆になっており、クロノグラフとチャイミング機構が表側に見えるようになっているため、いつでも腕元で仕掛けを観賞することができる。
フロントの6時位置配される5分ごとに1回転するトゥールビヨンは歴史的なクロノメーターの精神に則り、レジェップ・レジェピが新たにデザインしたものである。ケージの内部には2本の幅広のアームと8つの振動錘を備えたバランスホイールが搭載されており、マリンクロノメーターに見られる機構を着想源としている。
クロノグラフ機能は2時位置のプッシャーで操作する。加えて、このクロノグラフには1分おきにチャイムが鳴る経過時間を音で知らせる機能がついている。このチャイムは、アトリエ・アクリヴィアで開発された強化スティール製のゴングをブラックポリッシュ仕上げのスティール製ハンマーが叩くことでクリアな音色を奏でる。
クロノグラフが作動し、中央の可動部がハンマーによってリリースされると、2番目のバレルからの回転を妨げていたブロックが解除される。クロノグラフと打刻機構が作動している間に、ベースギアにエネルギーが供給され、ムーブメントを妨げることなく2つのコンプリケーションが適切に機能するために十分なエネルギーが確保される仕組みだ。
クラウンとクロノグラフプッシャーはそれぞれ7面を持つ。ムーブメントのパーツと同様に、エッジに面取りが施されたクラウンとプッシャーにはレジェップ・レジェピが採用しているものと全く同じ技法が用いられ、ハンドハンマーによる装飾が施されている。このケースはアトリエ・アクリヴィアにより、そのケースメイキング工房のマスターケースメーカーであるジャン-ピエール・ハグマンが監督している。右下のラグに控えめに刻印された彼のイニシャル「JPH」はハグマン本人によって裏打ちされた最高品質の証である。
また、時計裏面には「Louis cruises with Rexhep」と手彫りされており、レジェップと旅するルイ、とルイ・ヴィトンならではのウィットに富んだメッセージが選ばれている。
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