モリッツ・グロスマン新作「テフヌート シルバーフリクション」。ダイアルに伝統技法、銀摩擦メッキを採用

2023.11.04

モリッツ・グロスマンより、新作「テフヌート シルバーフリクション」が発表された。本作は、伝統技法である銀摩擦メッキを施したダイアルを特徴とするモデルだ。18KRGケースとSSケースのふたつのバリエーションで展開される。


19世紀から受け継がれてきた職人技を現行機で味わう

 モリッツ・グロスマンより、新作「テフヌート シルバーフリクション」が発表された。同社らしいエレガントなデザインを踏襲しつつ、ダイアルに伝統的な技法である銀摩擦メッキ(シルバーフリクションコーティング)を採用している。

モリッツ・グロスマン「テフヌート シルバーフリクション」

シルバーフリクションコーティングを施したダイアルを採用する「テフヌート シルバーフリクション」。18Kローズゴールドケースモデルには、ブラウンのアリゲーターストラップが装着されている。手巻き(Cal.102.1)。22石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約48時間。18KRGケース(直径39mm、厚さ8.5mm)。予価638万円(税込み)。

モリッツ・グロスマン「テフヌート シルバーフリクション」

日常使いしやすいステンレススティールケースモデルもラインナップする。組み合わされるストラップは、ブラックのアリゲーター製。手巻き(Cal.102.1)。22石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約48時間。SSケース(直径39mm、厚さ8.5mm)。予価440万円(税込み)。

 シルバーフリクションコーティングは、時計師のグロスマンが活躍していた19世紀から受け継がれてきた職人技だ。銀のパウダー、塩、クリーム状の酒石、水を混ぜたペーストを作り、これを小さなブラシに付けてダイアルに擦りつける。その後、表面を研磨することでシルバーに輝くダイアルが出来上がる。言葉に表すと簡単に聞こえるかもしれないが、光と陰影のコントラストを生みつつ、ムラのない仕上がりを実現するためには、熟練のスキルと高い集中力が求められる。

 ダイアルのロゴやインデックス、目盛りは、ダイアルに手作業で掘り込みを入れた後にブラックラッカーを充填している。艶やかなブラックが、シルバーダイアルとの対比を強調する。手作業で仕上げられた針は、ブラウンバイオレットに焼き戻しされている。熱を加える加減によって、針は青にも黒にもなる。そのちょうど中間を狙うのは、職人の経験が試されるところだ。

モリッツ・グロスマン「テフヌート シルバーフリクション」

シルバーフリクションコーティングは、特別なペーストをブラシに塗布し、何度もダイアルに擦りつけることによって行う。高いスキルと集中力が求められ、現代では僅かな職人しか習得していないと言われている。

モリッツ・グロスマン「テフヌート シルバーフリクション」

繊細なロゴやインデックス、目盛りは、手作業で彫りこんだ後にブラックラッカーを流し込んでいる。優雅に伸びる針は、ブラウンバイオレットに焼き戻されている。

 ケースサイズは、様々な大きさの手首にもフィットしやすい直径39mmだ。素材は18Kローズゴールドまたはステンレススティールから選択することが可能。装着されているアリゲーターストラップは、18Kローズゴールドケースにはブラウン、ステンレススティールケースにはブラックと、色が異なっている。

 搭載するムーブメントは、自社製手巻き式のCal.102.1だ。同社を象徴する3/5プレートや、優雅に伸びる緩急針とねじによる調整機構、古典的なゴールドシャトンを採用している。プレートのリブ模様やブリッジのエングレービングは、見る者に至福の時間を与えることだろう。

モリッツ・グロスマン「テフヌート シルバーフリクション」

ケースバックからは、ムーブメントを鑑賞することが可能。手作業によるエングレービングに加え、巻き上げる度にカチカチと動くコハゼ、ゴールドシャトンとそれを留めるブラウンバイオレットのねじ、ホワイトサファイアの受け石など、見どころが満載だ。


Contact info:モリッツ・グロスマン ブティック Tel.03-5615-8185


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