盛岡セイコー工業株式会社の社員である齋藤 勝雄(さいとう かつお)氏が、令和5年秋の褒章において黄綬褒章を受章した。齋藤氏は、2002年に盛岡セイコー工業の高級機械式腕時計の組立職場に配属され、以降、機械式腕時計の組立・調整・修理の腕を磨いてきた職人だ。現在は後進育成に特化した部署にて、人材育成や技能伝承に務めている。
37年間の研鑽が結んだ黄綬褒章
盛岡セイコー工業株式会社の社員である齋藤 勝雄(さいとう かつお)氏が、令和5年秋の褒章において黄綬褒章を受章した。同社は、セイコーウオッチ株式会社のグループ会社であり、主にクレドールやグランドセイコーをはじめとする高級機械式時計やクォーツウォッチムーブメントの生産などを担っている。
黄綬褒章は、農業、商業、工業などの業務に従事し、他の模範となるような実績を上げた人物に授与される。齋藤氏は、2002年に盛岡セイコー工業の高級機械式腕時計の組立職場に配属され、以降、機械式腕時計の組立・調整・修理の腕を磨いてきた。その腕前は、クレドールに搭載される極薄機械式ムーブメント、Cal.68系の組立を任されるほど。厚さ僅か1.98mmのこのムーブメントは、120点を越える各パーツを調整しながら組み立てる必要があり、組立を担当できる職人も限られている。
同氏は、08年に時計技能競技全国大会の第一部門、機械式時計及びクォーツ時計にて優勝し、17年には卓越した技能者(現代の名工)として表彰されている。その技術は時計業界発展のためにも幅広く発揮され、国家検定の検定委員、技能五輪全国大会(時計修理職種)の競技委員、国内外でのセミナー講師としても活動をしてきた。21年以降は後進育成に特化した部署にて、人材育成や技能伝承に務めている。
受章に際しては、上司や同僚をはじめとする多くの支えに対する感謝と、時計を通じてユーザーと繋がることができたことへの感謝、そして今後への意欲を語った。齋藤氏の技術と信念を受け継いだ職人たちが、今後どのように時計業界を盛り上げてくれるのか、その活躍を見守っていきたい。
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