ゼニスの「パイロット オートマティック」と「パイロット ビッグデイト フライバック」から、ブルー文字盤を備えた新作モデルが登場した。「パイロット」コレクションとしては、初のブティックエディションとなる。また、マニュファクチュールのヘリテージ部門が修復し、認定証を発行した選りすぐりの3つのヴィンテージパイロットウォッチで構成された「ICONS: PILOT」カプセルコレクションも発売されている。
ゼニスの「パイロット」コレクションにふたつの新作モデルが登場!
ゼニスは「パイロット オートマティック」と「パイロット ビッグデイト フライバック」に、新作モデルを追加した。夜空を思わせるディープブルー文字盤を備えており、また、「パイロット」コレクション初のブティックエディションである。
自動巻き(Cal.エル・プリメロ3620 SC)。26石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径40mm)。10気圧防水。96万8000円(税込み)。
自動巻き(Cal.エル・プリメロ3652)。26石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径42.5mm)。10気圧防水。146万3000円(税込み)。
1888年、ゼニスはフランス語の「PILOTE」という名称を商標登録し、1904年には英語表記の「PILOT」も商標登録した。現在でも、文字盤に「PILOT」の表記を持つ時計はゼニスだけだ。このように、19世紀後半から航空界とのつながりを持つゼニスは、長い歴史の中で数々のパイロットウォッチを世に送り出してきた。
そしてゼニスは2023年、パイロットコレクションを刷新。今回発表されたブティックエディションも、最新パイロットコレクションらしい、モダンな意匠を備えている。
パイロット オートマティック ブルーは直径40mmのステンレススティール製ケースに、幅を持ったフラットなベゼルがスポーティーだ。表面はサテン仕上げ、面取りにポリッシュ仕上げを施しており、スポーティーな中にも高級感をもたらしている。リュウズはシャープだが大ぶりで、溝を備えており、いかにも操作しやすい形状だ。
水平方向に溝を持った文字盤はパイロットコレクションの特徴のひとつだ。古い航空機の機体を構成する波型のメタルシートをイメージしており、本作ではディープブルーに彩られ、存在感を放っている。インデックスや針には蓄光塗料が施されており、暗所での視認性も確保している。なお、6時位置の日付窓の上のフラットな線はやはり蓄光塗料であしらわれており、飛行機の人工水平儀をほうふつさせる。
搭載するムーブメントは3万6000振動/時とハイビートなCal.エル・プリメロ3620。シースルーバックから、オープンワークが施されたローターとともに観賞できる。
コーデュラ・エフェクトを施したブルーラバーストラップとブラウンのカーフストラップが付属。インターチェンジャブルストラップであるため、工具なしで付け替え可能なのがユーザーにとって便利でうれしいところだ。
パイロット ビッグデイト フライバックは、1969年以来、ゼニスの旗艦ムーブメントとして活躍してきたエル・プリメロの最新機種をもとに、3つの特許を取得している新型ビッグデイト、そしてフライバッククロノグラフを搭載させたモデルだ。
このモデルのビッグデイトは、デイトの両輪を0.03秒以内という、瞬時に完全に安定させる、特許取得済みの次世代コンプライアンス機構を備える。また、午前0時を回るとリュウズでの日付調整ができなくなる安全システムも搭載された。
リュウズ操作のしやすさに加えて、プッシュボタンの押し心地も滑らかだ。クロノグラフの作動中に4時位置のプッシャーを押すと、クロノグラフをリセットし、また新たな計時を開始するフライバッククロノグラフによって、パイロットは連続する時間の記録をスムーズに行えるだろう。
これらの機能を実現したCal.エル・プリメロ3652は、シースルーバックから観賞できる。本作にも、コーデュラ・エフェクトを施したブルーラバーストラップとブラウンのカーフストラップが付属し、インターチェンジャブルシステムによって工具不要で交換可能だ。
税込み定価はパイロット オートマティック ブルーが96万8000円、パイロット ビッグデイト フライバックが146万3000円。世界各国のゼニスブティックおよびオンラインブティックで販売される。
「ICONS: PILOT」カプセルコレクションも発売!
パイロットコレクションの新作と同時に、「ICONS: PILOT」カプセルコレクションもリリースされた。これまでの「ZENITH ICONS」カプセルコレクションは、その多くが「クロノマスター」で形成される、初期のエル・プリメロ搭載モデルにフォーカスしてきた。しかし今回、ゼニスはパイロットに注目している。
ICONS: PILOTは、ゼニスのパイロットコレクションの最新モデルが生まれた背景を紐解き、パイロットウォッチとパイロットのための計器を追求してきた、ゼニスの伝統に立ち返ることを目的としている。このカプセルコレクションを構成するのは、1960年代後半から70年代にゼニスによって製造された、稀少な3つのヴィンテージパイロットクロノグラフだ。
1968年から1972年にかけてイタリア軍のために製造され、ローマのリテーラー、A. カイレリを通じて供給されたモデル。「Tipo CP-2」クロノグラフは、ミリタリーウォッチに求められる仕様に設計されており、視認性が高められた。回転ベゼルや暗所での視認性も確保する蓄光塗料が施されたインデックスや針とともに、現代のゼニスのパイロットコレクションの、インスピレーションの源となっている。今回のセットに含まれるウォッチには、A.M.I のミリタリーシリアルナンバーが刻印されており、イタリア空軍に提供された個体であることが分かる。ムーブメントはマーテルによって開発された手巻きクロノグラフCal.146DP。マーテルはゼニスによって59~60年に買収されるまで、イタリア軍ためのクロノグラフをカリレイに供給した。
1972年に発表されたRef.A3821(01.0180.415)は、エル・プリメロを搭載した、ゼニスのパイロットウォッチの初期モデルのひとつだ。スペースエイジを思わせる意匠を持つ。ダークトーンの文字盤のフランジ部分にタキメーターが刻まれていることが特徴だ。蓄光塗料が施されたインデックスや針、そして幅広な回転ベゼルと相まって、いかにも計器といった様相だ。スゲイフレアーが製造した、一体型のロブスターブレスレットもアイコニックである。ムーブメントは伸縮性のある、サスペンションに取り付けられている。アイコニックな意匠に加えて当時300m防水とダブルガスケットを備えた高性能なダイバーズウォッチとして、ゼニスのウォッチメイキングの歴史を彩っている。
Ref.01.0230.415は、ゼニスがエル・プリメロ搭載モデルとして初めてシースルーバックを採用し、ミネラルガラスを通して、この画期的なムーブメントをのぞかせた1本だ。パイロットウォッチとダイバーズウォッチを融合した本作は、やはりスペースエイジを思わせる意匠である。なお、回転ベゼルには分を表示させるという、モダンな仕様となっている。ムーブメントはサスペンションシステムに取り付けられ、ゲイフレアーが製造した一体型のロブスターブレスレットを備えていた。今回のセットに含まれるモデルはマットブラックの文字盤を持っており、この文字盤は1975年にわずか50本しか製造されなかった稀少な個体だ。
ICONS: PILOTの3本のヴィンテージパイロットクロノグラフは、ゼニスのマニュファクチュールによって厳選され、修復され、そして認定証が発行されている。サスティナブルな未来を目指す、ゼニスの「ZENITH HORIZ-ON」の取り組みの一環として、ゼニスの歴史を象徴するリファレンスに末永い命を吹き込み、循環型経済の構築に貢献するコレクションだ。なお、ゼニスのマニュファクチュールのヘリテージ部門が精査と認定を行い、当時の素材とパーツを使用して修復されたオリジナルピースのみを取り扱う。
https://www.webchronos.net/news/108717/
https://www.webchronos.net/specification/104342/
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