ルイ・ヴィトンは、新作フライングトゥールビヨンモデル「ヴォヤジャー フライング トゥールビヨン ポワンソン・ド・ジュネーヴ プリカジュール」を披露した。本作のハイライトは、希少かつ複雑なエナメル技法「プリカジュールエナメル」が駆使されたそのダイアル。透明感と豊かな色彩にあふれる顔立ちは、モダンなステンドグラスの窓を想起させる。ジュネーブ・シールを取得したスケルトンムーブメント、Cal.LV104にも注目だ。
21世紀に復活したプリカジュールエナメル
ルイ・ヴィトンは、新作フライングトゥールビヨンモデル「ヴォヤジャー フライング トゥールビヨン ポワンソン・ド・ジュネーヴ プリカジュール」を披露した。
自動巻き(Cal.LV104)。17石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約80時間。Pt +18KWGケース(直径41mm、厚さ11.68mm)。50m防水。価格要問い合わせ。
本作で注目すべきは、そのモダンなステンドグラスを思わせるダイアルだ。その製造にあたり、メゾンのアトリエ「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」は、「プリカジュールエナメル」と呼ばれる古典的かつ希少なエナメル技法を再解釈。透明感とニュアンスのある色彩で彩られた、唯一無二のダイアルを生み出したのである。
エナメルの枠組みには、「Vuitton」のイニシャルである「V」モチーフを繰り返し組み合わせた、印象的なホワイトゴールド製ダイアルを使用。毛細管現象を活かした最も伝統的な技法に則り、絵筆を使った手作業でエナメルが施された。
また、その色は単色ではなく、12時位置のダイアルにも見られるように、ウルトラマリンからアズール、ブルーグレーに変化する、彩度と乳光度の異なるブルーグラデーションが描かれている。
目を見張るほど透明度のあるこのダイアルの製造には、5、6層にわたる半透明エナメルの塗布と、それと同じ回数の焼成が必要となる。結果、アトリエのエナメル職人がダイアルひとつを仕上げるのに、約100時間もの作業を要したという。
エナメル職人の創意工夫と豊かな経験に裏打ちされたこのダイアルは、「ヴォヤジャー」のアヴァンギャルドなケースの中で際立つとともに、新たな個性を生み出すに至っている。さらに、そのダイアルからの光の透過は、スケルトンムーブメントに明暗効果をもたらし、精緻な機構に無限のニュアンスを添えている。
ムーブメントには、スケルトン仕様の手巻きCal.LV104を搭載する。Vをモチーフとした革新的な構造を採用しつつも、複雑機構の搭載と約80時間のパワーリザーブを叶えた驚くべきムーブメントだ。そのフライングトゥールビヨンは躍動感を見せるとともに、共通する造形を持つダイアルにユニークな個性を演出している。
またCal.LV104で特筆すべきは、ジュネーブ・シールを取得している点だ。すべての部品製造および組み立て作業がジュネーブ州内で行われていることに加え、その優れた品質も証明されているのである。
「ヴォヤジャー フライング トゥールビヨン ポワンソン・ド・ジュネーヴ プリカジュール」は、類い稀な芸術性に卓越した機械式ムーブメント、そしてジュネーブ・シールが融合を果たした、メゾンのエスプリを体現するマスターピースと呼べるだろう。
https://www.webchronos.net/news/110406/
https://www.webchronos.net/news/110360/
https://www.webchronos.net/news/108584/